こんにちは。中小企業診断士の津田まどかです。
気候的に過ごしやすく、清々しい朝を迎えられる季節になりました。
夫が単身赴任になったことをきっかけに、私は超朝方生活にシフトし、3時頃起きて早朝に一仕事を終えてから、Eテレのテレビ体操をするようになりました。
朝のラジオ体操は、やってみるとすごく気持ちよくて、すっかりはまってしまい、自分にとって心地のよい習慣になりました。
ちょうど、子どもたちが起きる時間なので、3人で一緒にワイワイ楽しくやっています。
さて、今回からはマーケティングの歴史をたどることで、その変遷から、フリーランスにとってのマーケティング活動のあり方を提案します。
マーケティング理論は、時代とともに変化している
マーケティング研究の第一人者フィリップ・コトラー氏は、現代マーケティングの最新理論として、マーケティング4.0を提唱しています。
マーケティング4.0とは、「自分自身をより高めたい」という自己実現欲求を満たす製品・サービスへのニーズが高まっていく中で、それを強力に後押しするマーケティングです。
コトラー氏のマーケティング理論は、マーケティング1.0からスタートし、4.0に至るまで段階的に変化を遂げてきましたが、私たちがマーケティング活動を意識する時には、やはり原点である1.0からスタートし、自分自身や提供するサービスそのものを見つめなおす必要があると、私は考えています。
なぜならば、マーケティング1.0の要件を満たしていることを確認したうえで2.0へ、2.0の要件をクリアできていてようやく3.0へ、といったやり方でチェックしていかないと、マーケティングとは名ばかりの中身がスカスカのサービスを提供することになりかねないからです。
それでは、マーケティング1.0とは、どのようなコンセプトなのでしょうか。
製品・サービスありきのマーケティング。顧客のニーズはどうでもいい。
「顧客は好みの色のクルマを購入できる。ただし、その好みの色が黒であるかぎり」
この有名なセリフは、T型フォードを生み出したヘンリー・フォードによるものです。今の時代では、考えられませんよね? でもこの時代は、大量生産による低コスト化が優先され、同じものをたくさんつくって幅広い顧客層に売っていく"マスマーケティング"の時代だったのです。
この"マスマーケティング"こそが、マーケティング1.0です。
もちろん、モノやサービスがありふれている現代社会でこのやり方は通用しませんし、フリーランスの活動においてマスマーケティングは縁遠いものです。
それでも、フリーランスがこの考え方から学べることは、あります。
それは、効率を重視し、生産性を高めるということです。
反復作業によって、能力を高めていくことが、時間単価のアップに繋がる
成果物やサービスなどを1種類だけつくって、同じものをあちこちに売っていくことは難しくても、作業レベルや分野レベルであれば、意識的に同じことを反復してやる方向に近づけていくことはできるはずです。
例えば、私は美容業界の経営者向けの講演活動をやっていますが、地方で開催される経営勉強会に呼んでいただくことがよくあります。
打診をいただいた時点で、お見積りと一緒に講演のテーマ案をいくつかお出しするのですが、その候補は基本的にはいつも同じものです。すべて既存のコンテンツであり、どれをリクエストいただいても、クライアントのニーズに合わせて多少修正を加えるだけで済むものです。
当然、すでにやったことがあるものですから、講演のシミュレーションも念入りにする必要はありません。本番は、今後の仕事における最強のシミュレーションだからです。
同じことを繰り返しやることで、徐々に能力が高まっていき、準備時間も短縮できるようになります。結果、時間単価アップに繋がっていきます。
このように、自分自身の裁量である程度決められることについては、自分の得意なことやすでに実績があるものを提供することで、効率化が図られ、時間に余裕ができ、受けられる仕事が増えていくのです。
第3回予告 マーケティングの歴史に学ぶ"売りこまない"マーケティング②―マーケティング2.0