私が有料ライターコミュニティに所属する理由。実際の活動をご紹介

海外(ヨーロッパ)発インタビューをお届けしていますフリーランス・ライターの岩澤里美です。主なクライアントは、日本の新聞社や出版社、Webサイト運営会社で、ヨーロッパのことを紹介する記事を日本向けに書いています。

普段から営業活動も行っていますが、東京に本部を置く団体「グローバルプレス」(日本語名称:在外ジャーナリスト協会)に入会して、そこからも仕事を得ています。年会費(1万2千円)の有料制コミュニティです。

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自分の技術を磨いたり、情報を得たりするコミュニティはいろいろありますね。
今日は、私がなぜこの団体に所属しているのか、フリーランスがこうした団体に所属する利点について、私の考えをご紹介したいと思います。

駆け出しから、一歩前進するために

グローバルプレスは東京都が認可したNPO(特定非営利活動法人)です。いま参加しているのは、海外を拠点に活動するフリーランスジャーナリスト・ライター20数名で、ほとんどが女性です。得意分野はそれぞれ違いますが、フリーランス経験3年以上が入会条件となっています。

私が入会を決めたのは、まだ駆け出しのころです。東京では教育・心理系雑誌の編集をしていたので、スイスに拠点を移してからは、ヨーロッパの教育事情について日本のメディアに投稿していました。でも、教育という分野だけでは長く仕事が続かないと判断。「どうしたら、執筆分野に広がりを持てるだろうか」と思っていたとき、この団体のことを知りました。

メンバーから刺激をもらう

入会して、まず刺激になったのは、ほかの会員たちの活動の様子でした。会員たちがさまざまな媒体に執筆し、書籍を出し、講演している様子を見て、「私もこんなふうに仕事をしていきたい」と強く感じました。

会員同士はメールでつながっています。互いに了承の上、スカイプしたり電話したりということもできます。

物理的・時間的に難しいため、定例オフ会はありませんが、集まれる人たちで、東京やヨーロッパで集まることも。個人的に会うことも自由なので、私はヨーロッパ内を訪れるときは、可能な限り、会員に会うようにしています。

これが、とても楽しいです。似たような状況にいる人たちから、進行中の仕事の話、悩み、将来の展望などをいろいろ聞けるのは、自分のワーキングスタイルを見つめ直すことにもなるからです。

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自分で営業したり、団体経由だったり。いろいろな雑誌にも寄稿しています。

団体経由で仕事。会員同士でも仕事を紹介

類似の団体がたくさんある中、グローバルプレスを選んだのは、会員たちの「プロ意識」です。また、団体として仕事を受け、数名の会員で執筆を請け負うことがあると知り、違う分野の仕事をするチャンスも増えるかもという期待がありました。

グローバルプレスの基本的な目的はクライアントの斡旋ではないため、毎月、団体経由で必ず新規の仕事依頼が入るということはありません。時々連載や単発の依頼が入ってくるのですが(依頼を受けるかどうかも選べます)、「このゆったりさがいい」という会員たちは多いです。また、「この会員に仕事をお願いしたい」と指名で依頼がくることもありますし、会員から「こんな仕事がありますよ」とメールが投げられることもあります。

互いに切磋琢磨する

団体経由での仕事依頼は、必ずしも会員の得意分野であるとは限りません。そういった場合は、挑戦してみてもいいし断ることもできます。書くと決めた場合、ほかの会員に原稿について相談したり、下読みし合ったりすることもあります。

ジャーナリスト・ライターもある種、職人です。編集者が編集してくれるからという姿勢ではなく、技能を磨いて≪よい原稿≫を書く、それがグローバルプレスの目的です。

まとめ

いかがでしたか? 「お金を払ってまで」と思うかもしれませんが、私個人は、グローバルプレスを通して学んだことが本当にたくさんありました。この種の団体に入らなくてもフリーランスで仕事をしていくことはできますが、一選択肢としてしばらくの間だけでも経験してみるのもよいかと思います。確実に視野が広がると思いますよ。

岩澤里美

Writer 岩澤里美

スイス在住ジャーナリスト。東京で雑誌の編集者を経てイギリス留学、2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。興味のおもむくままヨーロッパ各地を取材し日本のメディアに執筆中。社会現象の分野やインタビュー記事が得意。NPO法人Global Press(在外ジャーナリスト協会)理事として、フリーの女性ジャーナリストたちをサポート。息子は、私の背丈を超えるまでに成長。
http://www.satomi-iwasawa.com/

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