Vol.40 仕事場シェアリングの可能性

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先日、人気イラストレーターの2人(佐藤香苗さん 北原明日香さん)が西荻窪にオープンした共同作業場の「つくえのえ」に見学に行き、仕事場を自宅以外に移したことについてお話を伺うことができました。フリーランスの最大のメリットは自宅で仕事ができることだと思って20年生きてきた私は、そのお話を伺って目から鱗が落ち、ぜひ「つくえのえ」で作業をしてみたくなり、ゲスト会員として1日利用をしてみました。

重い荷物を背負っての移動は辛いので、今回はラフだけを描くことにして、スケッチブック+鉛筆、iPad+Apple Pencil、スマホという、最小限の仕事道具でお邪魔しました。

人と同じ空間で仕事をするのは気を使ったり、気になってソワソワしてしまったりするのではと想像していましたが、思いのほか集中できて、カフェやファミレスで仕事をするよりも良かったです。眠気も起きず、だらだらとツイッターを眺めるという気持ちにもならず、とても良い緊張感を持ちながら新鮮な気持ちで仕事ができました。仕事を休まずにリフレッシュできる効果を得られるのは、新しい体験でした。
同じ空間に居るのが、同僚でも上司でも部下でもお客様でもなく「同業者」というのが大きかったのかもしれません。全員の目的が仕事や制作をすることなので、1人でいるときと同じく、自由に仕事ができました。

また、安いとはいえ利用料を払うというコスト意識も大事なのかもしれません。自宅でできるのにわざわざここに来たという移動の労力や時間もコストの一部です。「ここにいる間にこの作業は終わらせよう」という意識が生まれ、集中力が増します。月極めで利用するレギュラー会員になれば、そのコスト意識が良い方に働くのかもしれませんね。

問題だと感じたのは、やっぱりモバイル環境です。
私の場合、デジタル制作である限り、どうしても機材がそろわないとすべての作業はできず不便です(1日だけならそれが良かったりもしますが)。使い慣れたソフトが入ったノートPCと液晶タブレットを持ち込めば不自由なく仕事できそうですが、重い荷物を背負っての移動はまさしく腰を重くします。
軽量なモバイル環境を整えるか、PCや大量の画材を必要としない作業を増やせば、思い立った時に気軽に利用できそうです。

たった1回利用しただけで断言するのもどうかとは思いますが、フリーランスにとって、仕事場のシェアリングはまだまだ大きな可能性を秘めているなと確信しました。私のように、自宅で一人で仕事をするものだと思い込んでいるフリーランスはきっと他にも大勢いると思いますし、そういう方にも一度シェアリングの感覚を体感してもらいたいなと思いました。

これからはきっと、カフェでノマドよりも、シェアオフィス、シェアスペース、シェアデスク!この価値観の変化に自分でもびっくりです。良い関係を保ちつつオフィスをシェアできるなら、恒久的に自宅外に仕事場を移すのは悪くないかもしれないと、イメージが大きく変わりました。

しばらくは週1目標で利用させていただいて、またどんな気持ちの変化があるか、自己観察してみたいと思います。

会員募集中の「つくえのえ」についてはこちらから

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。
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※次回の「今日も家でおしごと」は12月4日(月)更新予定です。
峰村友美

Writer 峰村友美

イラストレーター・Rhythmoon編集部メンバー
新潟県長岡市出身杉並区在住。1997年よりフリーランスのイラストレーターに。出版、広告、WEB、パッケージ等にイラストを提供。ほのぼのとあたたかく親しみやすい人物や動物などを描くのが得意。好きな食べ物はチョコとあんことパンとコシヒカリ。好きな場所は映画館と水族館。9歳差兄妹の母。
http://minetom.com/

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