地元の自然を活かした出張撮影をおこなうママフォトグラファー@栃木県

地方で働くってどんな感じ? 地域ならではのフリーランス事情を知りたい!
「地方フリーランス生活」では、自分らしいスタイルで働く地方フリーランサーに、地方で活動することのメリットやデメリットのほか、日頃心がけていることなどを伺います。今回は栃木県で活動されているフォトグラファーの鶴岡悠子さんにお話をお聞きしました。

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■鶴岡悠子さん プロフィール

活動地域 栃木県
フリーランス歴 約8ヵ月
職種

フォトグラファー

経歴

東京下町育ち。短大卒業後イギリスへボランティア留学し、現地の高齢者老人ホームに住み込みでボランティアしたことがきっかけで、介護の世界へ。結婚後、栃木県野木町に移住。三男妊娠中に一眼レフカメラを使い始め、出産後、勉強を経て2017年4月からプロのフォトグラファーとして活動を開始し現在に至る。現在、3児の母。

ブログ

現在のお仕事内容は? なぜ肩書きの最初に「ママ」を入れて「ママフォトグラファー」としているのですか?

出張撮影をメインとしたフォトグラファーとして、キッズ&ファミリー撮影、起業女性のプロフィール写真撮影、出張サロン&セミナー撮影、終活用の写真の撮影などをおこなっています。

「ママフォトグラファー」という肩書きで活動しているのは「母としての目線を大切にしながら『ママの味方』として撮影したい」という想いがあるから。お子さんと一緒の写真の時も、お子さんだけでなくお母さんもきれいに撮ることを意識しています。

子育てやお仕事に取り組む女性の、一生懸命頑張る姿が大好きなので、頑張っている女性たちを「写真」というツールで応援し、もっともっと幸せになってもらうお手伝いがしたいと、いつも思っています。

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七五三の撮影は、桜のシーズンにもできます。

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近所の並木道での家族写真

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イベントに出店し、こんなジャンプ写真を撮ることもあります。

フリーランスになる前はどのようなお仕事をしていましたか?

介護の仕事をしていました。短大卒業後、イギリスに留学していた際に介護関係のボランティアをしていていたこともあり、結婚後は、介護関係の学校に通って資格を取得し、介護の仕事をしていました。3人の子どもたちの妊娠、出産の際は休みながらも仕事を続けていましたが、写真の仕事が忙しく、退職しました。

フリーランスになったきっかけを教えてください。

フリーランスになろうと思ったわけではなく、フォトグラファーになりたいと思い、結果的にフリーランスのフォトグラファーという仕事のやり方を選びました。というのも、私がやりたかったのは外で自然な様子を撮る出張撮影のスタイルで、このジャンルは私の先生も含め、フリーランスでやっている方が圧倒的に多かったので。

フォトグラファーになるまでの道のりを教えてください。

三男を妊娠中に一眼レフを手にし、独学で撮影するうちにカメラの魅力にはまりました。その後、しっかり撮影方法を学びたいと思い、講座に通ったらますます楽しくなって。最初は初心者向けのコースから始め、最終的にはプロになるためのコースを受講しました。でも、プロになるためのコースを受けていても最初は、プロになる気はなかったんです。

でも、ある時課題で「プロフィール撮影をする」という課題が出て、大人の女性を撮らせていただいた時、とても楽しくて「いろんな人の写真を撮りたい」と自分の中でスイッチが入りました。先生からの「やってみれば? 栃木ではあなたを必要としている人がいるよ」というアドバイスもあり、プロのフォトグラファーになろうと決意しました。

その後はまず「モニター募集」というかたちで身近な人に募集をかけて撮影を開始し、習っていた先生から告知方法などについてコンサルティングを受けながらブログなどを更新し続けるうちに仕事が増えました。

特に大きな転機となったのは、夏におこなったひまわり畑での撮影会。多くの方にご予約いただき「ひまわり撮影会をしているフォトグラファー」と認知もされるようになりました。

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ひまわり撮影会での写真。最近は出張撮影が流行っているので、私のようなスタイルのフォトグラファーが増えています。

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今も1ヵ月に1回程度、自分が受けたいことに関する講座に行き、勉強を続けています。こちらの写真は私のカメラの師匠の早坂華乃さんが、フォトレッスン中に撮影してくださいました。

なぜ今お住まいの土地に移住したのですか?

一番の理由は、夫の故郷だから。結婚後ここに移住した後、夫の仕事の関係で1年ほど東京に戻り、長男の子育てをしたこともあるのですが、ここのほうが子どもをのびのび育てられることを実感し、戻ってきました。家も購入し、ここに定住するつもりです。そういった経緯もあるので「この土地に住むことを選びました」と言いたいです。

現在の土地で仕事を始めるにあたって、苦労したことはありますか?

仕事を始めるまでに苦労したことはありません。まわりの方からの口コミでフォトグラファーの仕事を始めたのですが、おかげさまで、口コミやブログ経由のお申し込みをたくさんいただけており、暇な時期がないです。

栃木の県南の中で出張可能な女性フォトグラファーはあまりいないようなので、お客さんには「ようやく見つけた」と喜んでいただいています。

私のフォトグラファー仲間も「子ども」「起業女性」など自分の撮りたい被写体、やりたい方向をブログで打ち出すことで、その方向性にぴったりのお客さまから依頼をいただいています。

その土地ならではの慣習がわからず苦労した、失敗したということはありますか?

失敗ではないのですが、神社での撮影の際、許可はいただいたものの、神主さんに外は寒いからと心配していただき、撮影中に何度も「中へどうぞ」とお声がけいただき、心遣いに感謝しつつも困ったことがありました。

また、このあたりの方は出張撮影に慣れておらず、特に公園で親子撮影をしている時などに、人懐っこい小学生が「僕も撮って!」と中に入ってきてしまい、親子だけの写真がなかなか撮れない...といったハプニングが起こることもあります。

地元と地元以外のクライアントの割合を教えてください。

栃木県:都内=9:1 です。

撮影の申し込みの半数以上が、ブログを見て申し込んでくださるケースです。残り半分は夫、友人、お客さまからの紹介です。

工夫しているのは、ブログの書き方です。コンサルティングを受けて検索上位に私のブログが出てくるようにしているので、七五三は「七五三・ロケーション・出張」で調べると私が上位で出てくるようになっています。また、会ったことがない方の撮影をする場合は、撮影日より前に必ず打ち合わせをするようにしています。

今お住まいの土地で働くことを選んで良かったこと・悪かったことを教えてください。

良かったことは、住んでいる野木町の良さを、より深く理解できたことです。煉瓦窯やひまわり畑、自然豊かな環境の良さを強く感じています。芝桜、ひまわり、コスモスなど四季折々の花の花畑の前で写真を撮れるのは、ここならでは。

また、田舎ならではの人の少なさも大きな魅力だと、この仕事で気づきました。東京からわざわざ野木町に来るお客さまもいるのですが「東京は人がたくさんいる中で撮影するので恥ずかしいけれど、ここは人が少ないので恥ずかしくない。来てよかった」と笑顔で語ってくださいました。

今住んでいる土地ならではの仕事の合間のリフレッシュ方法があれば教えてください。

自分の家が田んぼの目の前なので、家から夕日を見るだけで癒されます。また、渡良瀬遊水地が近くなのでよく行くのですが、非日常の美しい風景が広がっており、リフレッシュになります。

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大好きな、我が家からの夕日の空

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野木の近所は自然が溢れているので、菜の花畑でこんな撮影もできます。

現在の課題がございましたらお聞かせください。

スケジュール管理の難しさが課題です。フリーランスだと、いくらでも仕事を入れて忙しくできるので「休みの日を作れない」「休みのはずが仕事を入れている」ということがしばしばあります。理想としては、週1回は休みたいです。

今後の目標をお聞かせください。

最近、自分に似合う色を診断してもらった後、似合う色の服を身に着けながら撮影する、というスタイルの撮影会を始めました。お客さんも「迷っていたけれどやってよかった」と喜んでくださっているので、今後、もっと広めていきたいです。

最終的には、最期の旅フォトグラファーになりたいです。子どもの手が離れたら、お年を召されていたり、介護が必要なために、なかなか旅に出られない方と一緒に旅に出かけ、行く先々で写真を撮りたいです。

最後に、地方で働くことに興味のあるフリーランサーへ、メッセージをお願いします。

のびのびした環境で子育てをしながら、好きな時間に働けるのが地方フリーランスの一番の魅力。地方なら、フリーランスでも保育園にも入りやすいですよ。興味のある方はぜひ一歩、踏み出してみてください。

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。

曽我 美穂

Writer 曽我 美穂

子どもの頃から環境に関心を持ち続け、現在はエコライター・エディター・翻訳家として独立。環境に関する雑誌やWebサイトでの執筆、翻訳、書籍編集、フェアトレードカタログの企画編集のほか、環境NGOやNPO法人の広報活動にも関わる。また、2年前から地元の公民館や自宅で、こども英語教室の運営も行っている。私生活では2009年生まれ、2012年生まれの二児の母でもある。

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