【共働き時代の家事分担①】フィンランド・オランダからみた家事分担事情

女性の活躍が叫ばれ、共働き夫婦が増えているにも関わらず、未だに「家事は女性がやるもの」という価値観が根強く残っている日本。家庭での家事分担に悩む声も、しばしば耳にします。リズムーンでも、コラム「共働きが当たり前のフィンランドの食・生活文化:家事編」を公開したところ、大きな反響がありました。

そこで今回は、昨年反響が大きかった上記コラムの執筆者であるフィンランド在住の藤原斗希子さんと、メンズ代表でオランダ在住経験のある高橋功さんをゲストにお迎えし、座談会を開催。海外の家事事情も交えながら、共働き時代の家事分担についてお話いただきました。(聞き手:編集長・オノリナ)

ゲストスピーカーProfile

prof_fujiwara.jpg藤原 斗希子さん
CSR(企業の社会的責任)/ Sustainability に関するリサーチャー兼アドバイザー。2013年よりフィンランド在住。現在、フィンランド人の夫と一児を育児中。
リズムーンでは、「世界から届く多様な生き方のヒント(フィンランド編)」にて、現地の暮らしぶりやフィンランドからみた日本についてなどを連載中。
ホームページ:「今と未来のあいだ」 https://actokin.com

prof_takahashi.jpg高橋 功さん
公認会計士・税理士。大手監査法人での勤務を経て会計事務所を開業。女性の社会的影響力を高めることをミッションとし、女性経営者を会計・税務・経営管理面からサポート。ふわっとした夢を明確な目標と具体的な行動プランにつなげるツールとしての予算管理、クラウド会計ソフトを利用したシンプルで心地よい業務デザインを提案する。2年間のオランダ生活の経験から性別にとらわれない生き方を目指し、プライベートでは兼業主夫として家事スキルを研鑽中。好きな場所は小さな美術館と自然豊かな田舎町。

分担というより、得意分野を。忙しい時はフォローしあう

オノ) 以前、取材して書いた記事「外国人家事労働者受け入れを日本とフィリピンの視点で考える」の中でも触れましたが、女性の活躍推進で働く女性を応援するためには、女性の家事負担の軽減が不可欠になっています。でも、日本では「家事は女性がするものである」という価値観が社会の中だけでなく女性の中にも無意識に刷り込まれているような気がしています。

そこで、共働きがあたりまえなヨーロッパでは、どのように家事を捉え、分担しているのかを詳しくお聞きしてみたいと思い、この座談会を企画しました。さっそくですが、リズムーンでもコラムを執筆いただいている藤原さんから、簡単な自己紹介をお願いします。

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藤原) はじめまして。私はフィンランド人の夫と結婚し、2013年にフィンランドに移住しました。移住直後に子どもができ出産。2013年から2015年までは育児に専念していました。もともとCSRや社会全体のサステナビリティに関する仕事をしていたので、2016年からフィンランドで事業登録して仕事を再開し、今年2年目になります。高橋さんが、オランダに在住されるきっかけはなんだったんですか?

高橋) 僕は公認会計士で、妻も同じ会社に勤めていまして。妻がオランダに2年ほど赴任することになり、2015年2月から僕も休職して妻についていくことにしたんです。オランダにいる間は、独学で証券アナリストの勉強をしながら、おもに家事を担当していました。

そのときに、「俺、家事やるの嫌いじゃないかも」ということに気が付きました。妻は、一生フルタイムで働きたいという希望があったので、夫婦の分担などを考えると、僕が家事のウェイトをもっと増やせたらいいのかなぁと。それを実践するために2017年11月に独立し、現在、起業との両立を試しているところです。

オノ) なるほど。お二人は今、パートナーとどのように家事を分担されているんですか?

高橋) 我が家では、「夕飯は早く帰ったほうが作る」というルールになっています。最近は妻が繁忙期に入って僕の方が帰りが早いので、8割方僕が担当しています。一方で、僕は朝が弱いので、朝食は妻が担当しています。

掃除や洗濯については、掃除機をかけたり、お風呂・キッチンの掃除はだいたい僕がやっています。その上で、鏡がちょっと汚れているとか、細かいところを妻がやってくれているという感じです。あまり固く決めすぎずに、来週はどっちが忙しいかというのを話しあいながら、適当に割り振っていますね。藤原さんのところは、どうですか?

藤原) うちは、どちらかが料理をしたら、片方は洗濯というゆるやかなルールにしています。料理はほぼ7割くらいが夫ですね。夫は買い物にも行きます。「掃除」「水回り」などは、主に私がやっています。そのほかの住宅関連のことや車のことに関しては、夫が主体になってやっています。

オノ) その分担は、話し合いで決まったんですか?

藤原) できる人ができることを率先してやった結果、自然に分かれていきました。夫は片付けがあまり得意ではないので、そこは私がやって......と。

我が家も共働きなので、あまり線引きはせずに、どちらかが忙しくなったらフォローし合っています。高橋さんのお宅と同じように「今日は仕事少ないから、僕がやるよ」というようにお互いの仕事の状況を見ながら回している感じです。

オノ) なるほど。あまりガチガチに決めすぎずに、その時々に合わせてできるほうがやるというスタンスだと、無理がなく続けられるのかもしれませんね。

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「家事は女性がするもの」という意識がない

オノ) 日本では、「家事は女性がするもの」という意識が根強くあると感じているのですが、フィンランド、オランダではそのあたりはいかがですか?

高橋) オランダでは、「家事は女性がやるもの」という意識は、おそらく誰も持ってなかったんじゃないかと思います。女性のほとんどが仕事を持っていましたし、共働き夫婦がお互いに家事をするということは、普通に受け入れられていたと思います。

例えば、ホームパーティに行ったら、男性が料理を用意していたというケースもありました。でも、だからと言って、誰も驚くわけでもなく。

藤原) フィンランドも、女性が仕事を持っているのは普通で、家事については、ほとんどの人が夫婦や家族みんなでやるものと思います。夫の両親も夫が小さい頃から共働きだったので、夫も「家事をやるのは普通」だと思っていたようです。

日本だと、男性が家事に「参加」とか「手伝う」という言葉が出てきますよね。こちらでは、参加とか手伝うではなく、普段の生活の中で「掃除をする」「洗濯する」という活動があるように感じます。家事は特別なことではなく、朝起きてから夜寝るまでの生活の一部ですよね。

オノ) 確かに、家事は生活していく上で必要なものなのに、「参加」とか「手伝う」ってちょっと変な表現ですよね。

(第2回に続く)

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釘宮 優子

Writer 釘宮 優子

広告制作会社でのカタログ・パンフレットの編集・コピーライティング、金融専門研修会社でのテキスト編集等を経て、2016年よりフリーランスの編集者・ライターに。主に、広告・企業広報界隈で、小冊子など紙媒体の編集や、インタビュー記事、広告記事の執筆に取り組む。得意分野は「マネー」&「キャリア」。興味があるテーマは「婚活」。10歳年下の夫とは、フリーランス夫婦。

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