【共働き時代の家事分担③】男性の"家事へのモチベーション"を引き出すには?

フィンランド、オランダ在住経験のあるお二人をゲストに迎え、共働き夫婦の家事分担についてお聞きしている座談会。家事は家族みんなでやるものと言いつつも、男性の中には、なかなかやる気がでなかったり、家事そのものが苦手......という人もいるのではないかと思います。

そこで最終回は、男性の"家事へのモチベーションを引き出す方法"をお聞きしました。

ゲストスピーカーProfile

prof_fujiwara.jpg藤原 斗希子さん
CSR(企業の社会的責任)/ Sustainability に関するリサーチャー兼アドバイザー。2013年よりフィンランド在住。現在、フィンランド人の夫と一児を育児中。
リズムーンでは、「世界から届く多様な生き方のヒント(フィンランド編)」にて、現地の暮らしぶりやフィンランドからみた日本についてなどを連載中。
ホームページ:「今と未来のあいだ」 https://actokin.com

prof_takahashi.jpg高橋 功さん
公認会計士・税理士。大手監査法人での勤務を経て会計事務所を開業。女性の社会的影響力を高めることをミッションとし、女性経営者を会計・税務・経営管理面からサポート。ふわっとした夢を明確な目標と具体的な行動プランにつなげるツールとしての予算管理、クラウド会計ソフトを利用したシンプルで心地よい業務デザインを提案する。2年間のオランダ生活の経験から性別にとらわれない生き方を目指し、プライベートでは兼業主夫として家事スキルを研鑽中。好きな場所は小さな美術館と自然豊かな田舎町。

料理が上達できたのは「時間の余裕」と「妻が任せてくれた」から

オノ) 高橋さんは、今では料理が主担当になるほどの腕前だとお聞きしましたが、最初から料理はお得意だったんですか?

高橋) オランダに行く前は、料理はまったくできませんでした。外食するか惣菜を買うか......という感じでしたね。今は、僕が料理を含め家事を一通りできるようになったので、もし妻が忙しくて一週間ほど家事ができないことがあっても、僕の方でほぼ対応できます。

オノ) すごいですね! どうやって料理の腕をみがかれたんですか?

高橋) オランダでの生活では時間に余裕があったので、食材集めから、調理器具の扱い、料理までゼロから経験を積みました。最初のうちは冷蔵庫の中身を見てメニューを組み立てることはできなかったので、しばらくは一週間の献立を先に決めて、それに合わせて買い物をするところからスタートしました。

最初の1ヶ月は、自分でも恥ずかしいくらいあたふたしていましたね。だしの量からしてよくわからなかったです。「適量」ってどのくらいなんだ⁉みたいな。そもそも味噌汁にだしを入れるという基本すら、頭にありませんでした(笑)。

藤原) モチベーションはどうやって保っていたのですか?

高橋) できることが少しずつ増えていく過程が意外と楽しかったんです。例えるなら、経験値を積んで徐々にレベルアップしていくドラクエのような感覚でしょうか。「ムール貝のワイン蒸しを覚えた!」みたいな(笑)。苦手意識を克服できた要因は、ひとつは時間に余裕があったこと。これは重要でした。フルタイム(&残業)の仕事をやりながらだったら、おそらく厳しかったと思います。

もうひとつは、妻が全面的に任せてくれた、ということです。怒ったり口出ししたりすることは全くありませんでした。むしろ、「家に帰って温かい料理があるのはうれしい」というような前向きのコメントをたくさんくれました。それで続けることができたのかな、と思います。

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家事をプロジェクト化。感情よりもロジカルに

オノ) パートナーはもちろん、子どもも巻き込んで、家族みんなで家事をするために、お二人から何かアドバイスはありますか?

高橋) 僕からは2つあります。ひとつは、男性の中には、家事をしたい気持ちはあるのに会社の事情などで時間や体力的に難しい人もいると思うんです。その事情を知らずに「協力してくれない」一方的に怒ると、男性はしょんぼりして、ますます家事から離れていってしまいます。ですから、まずはちゃんと話をして理解するというところが、入り口かなと思います。

2つ目は、男性は、定量化したり見える化したりすると、俄然やる気が出ることがあるんですよ。1週間、1ヶ月で大体これくらいのタスクがあり、それぞれこのくらいの時間がかかり、ボトルネックは、、、そういう分析を一緒に始めると、じゃあ、こうしよう!と、やる気を出してくる人が多いような気がします。気がつけば自ら巻き込まれにいってると(笑)

オノ) 確かに、感情に訴えるのではなく、理論で攻めていくのがいいんでしょうかね。

高橋) ロジカルに説明したほうが、男性は受け入れやすいと思います。感情ではなく、家事をプロジェクトと考えて問題解決・改善しよう!くらいの気持ちでいくのがいいのではないでしょうか。もちろん、人にもよりますが。

藤原)我が家もまさに「プロジェクト化」を実践しています。やることをリスト化し、日々の買い物も二人でリストアップしてお金と照らし合わせながら一緒にやっていますね。その時にどちらかに任せない。買い物に行くのは夫かも知れないけれど、一緒に今週のメニューを考える。家事分担だけではなく、モノの配置を考えて使い勝手を改善するなど生活していく中での効率化プロジェクト、みたいなものをやっています。

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高橋) オランダ生活を経て、妻が一番喜んだのが、家事全体を一緒に「管理」できるようになったということです。「お手伝い」の立場から脱却したのが、一番うれしいって。

藤原) 主体的に二人で関わるって言うんですかね。どちらかが主で、どちらかがサブではなく、二人がディレクターみたいな。もちろん、お互い得意分野があるので、ものによっては、どちらかがリーダーになることもありますが。

あと、最初は私もやってしまっていたのですが、女性は男性の家事に対して絶対口出ししてはいけないですね。お料理がおいしくなくても、掃除が雑でも一切文句を言わない。やはり男性も一生懸命やっているので、あんまりダメ出しされると、モチベーションが下がっちゃいますよね。

高橋) はい。一生懸命やったのにうまくできない時ほど、本人も悔しい思いをしているので、そこに追い打ちをかけられるともう立ち上がれなくなります。一方で、主体的にやるようになると、逆にアドバイスが欲しいと思うようになるんですよ。どうしたらもっと美味しくなるかな?とか、もう少しこうしたいんだけどアイディアある?とか。

藤原) そこに行くまでが、ポイントですね(笑)。

ライフプランとして考えると、小さな不満はなくなってくる

高橋) あとは、短期的な役割というよりも、人生のライフプランみたいな、大きな視点で考えると、小さな不満はなくなってくるような気がします。

例えば、今は、どちらかが仕事を頑張る時期だから、片方がサポートする。子どもの年齢によってこうしていこう!そこから逆算すると......というように、夫婦のライフプランを絡めていくと、俄然オモシロクなってきます。

藤原) 私からは男児を持つ親として、子どもが小さいときから一緒に家事をやるのがよいのではないかと思います。我が家では子どもが幼稚園から帰ってきたら家事タイムにして、一緒に買い物に行ったり洗濯物を干しています。子ども自身が「自分も家族の一員である」ことを認識し主体性を持ってやることが、やはり家族みんなにとっても大切なことなんじゃないかと思います。

オノ) 参考になるアドバイス、ありがとうございました。家族みんなで家事ができるような環境づくりがまず大事ですね。「パートナーが全然家のことをやってくれない......」とモヤモヤしている方にとっては、目からウロコのヒントがたくさんあったのではないでしょうか?

藤原さん、高橋さん、ありがとうございました!

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釘宮 優子

Writer 釘宮 優子

広告制作会社でのコピーライター職を経て、ベンチャーキャピタル、金融専門研修会社など金融業界に約8年勤務した後、2016年よりフリーランスの編集者・ライターに。得意分野は「マネー」&フリーランスをはじめとする「働き方」関連。AFP(日本FP協会認定)。プライベートでは10歳年下の夫を持つことから、婚活業界にも興味津々。

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