センスは難しいものではない!『センスは知識からはじまる』

みなさん、こんにちは。フォトグラファーの宇野です。
4月がやってきましたね。何かを始めるにはぴったりな季節です!
今日ご紹介するのは、好奇心をくすぐられるこの1冊。『センスは知識から生まれる』です。

180408uno01.jpgくまモンやDocomoIDの生みの親、クリエイティブディレクター・水野学さんの著書です。
この本が発売されたときから気にはなっていたのですが、私はどうもセンスという言葉に苦手意識があり、横目で見ていました。センスが良い人=おしゃれな人、みたいなイメージがありましたし。
なんとなく、センスは生まれつきのものではないはず・・とは思っていたんですよ。センスという言葉を都合よく使ってはいけないということも! だって写真を教えているときに「センスがないから撮れない」と言われると、もっと勉強してたくさん撮ってから言ってくれ!と思いますから。でも「センスは磨くもの」だなんて、言い切る自信はありませんでした。

そんなわけで結局読んでみたのですが、親切丁寧な優しい本でした。センスの鍛え方、企画の組み立てかたまで書かれていますしね。やっぱり、センスは先天的な変えられないものではない、鍛えられるものなんだ!と知りホッとしました。

普通を知ることが大事

まずセンスの良さとは「数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力」と水野さんは言います。おしゃれは数値化できない。しかしそのシーン、その時一緒にいる人、自分の個性に合わせて服装の良し悪しを判断し、最適化できる。それを「かっこいい。センスがある」と言うのだと。
簡単に言うとTPOと自分に合った服を選べること、と言えるでしょう。流行っている服やハイブランドの服を着れば良いわけではなく、場面や場所、自分に合っているということが重要なのです。

そしてセンスが良くなりたいなら「普通」を知ることが大事だそうです。普通というのは「いいもの」「わるいもの」「1番真ん中」がわかること。普通よりちょっといいもの、すごくいいもの、とんでもなくいいもの、というように普通という定規であらゆるものを測ることで、さまざまなものを作り出すことができます。測る方法をたくさん知っていればいるほど、センスは良くなるそうですよ。

センスとは「知識+予測」

先ほど普通を知ることが大事だとご紹介しました。
ではどうやったら普通を知れるのかというと「知識を得ること」。「センスとは知識の集積である」というのが水野さんの答えだそうです。知識があればあるだけ、可能性を広げることもできます。

例えば企画を考えるときに、「誰も見たことがないものにしたい」とひらめきを待つ人がいるそうです。でもそれなら手始めに「誰でも見たことがあるもの」という知識を蓄えることが大切。今売れているものや普及しているものは過去の蓄積の上に成り立っています。過去に存在していたあらゆるものを知識として蓄えておくことが、新たに生み出す上で必要不可欠なのです。「特にものをつくる人は新しさを追い求めながら、過去へのリスペクトも忘れないことが大切」と水野さんは言います。

そしてもう1つ、「知識をもとに予測すること」もセンスだと考えているそうです。例えば経営センスがあると言われる社長や、よく当たる占い師なども、自分の経験から培った知識を元に予測を立てています。実際に占い師の方はよく「占いは統計学」という言い方をしますよね。その学問に、いろいろな人を占った経験がプラスされているのではないでしょうか。
そこまで特殊なことではなくても、家をどこに建てるか、お店をどこに構えるかなどもそうです。都市計画を調べたり、その土地の歴史を調べた上で予測することもできます。これもセンスなのです。

感覚という言葉に逃げないこと

私が特に印象的だと感じた言葉がこれです。

もしもあなたがデザインを生業とするならば、自分が何を根拠にそのデザインを決定しているのかを「感覚」という言葉に逃げずに説明しなくてはなりません。それができてこそ精度の高いアウトプットであり、商品を売れるものへと育てる最良の道です。

これはデザインだけでなく、写真にも、どの仕事にも当てはまることではないでしょうか。
大抵が誰かに向けての、誰かと協力して行う仕事なので、きちんと説明できなければ伝わりません。そして説明できないことというのは、自分でもよくわかっていない曖昧なことだと思うのです。

もう1つ、センスを磨く上で「好き嫌いでものを見るのは禁物」だそうですよ。センスの最大の敵は思い込みであり、主観性。例えば服の知識があっても自分の体型、個性、雰囲気という客観情報を持っていなければ、似合わないものを選んでしまうように。 客観情報を集めることもセンスを良くする大切な方法です。

180408uno02.jpg今回は桜の散り始めの写真にしました。今年の桜は早かったですね〜。
私も写真に関してはたくさん撮って、たくさん見てきたので、その蓄積が今につながっていると感じます。撮って、見て、カメラの数値の意味を知ること。それが写真のセンスを磨くコツですよ!

さぁ、これからは軽々しく「センスが無い」なんて言えませんね・・笑。
知ることを楽しみながら、センスを鍛えていきましょう!

センスは知識からはじまる
センスは知識からはじまる
水野 学
朝日新聞出版 (2014-04-18)
宇野 真由子

Writer 宇野 真由子

1979年生まれ。北海道出身。ビジュアルアーツ大阪校写真学科卒業。
写真専門ギャラリーでの勤務を経て、沖縄に移住。撮影会社にてブライダルを中心とした人物撮影や商品撮影等に従事。2015年秋に大阪へ戻り、フリーランスとして活動開始。撮影以外にも、写真教室・ワークショップ等、写真の楽しさを広める活動も開催している。
http://unophotoworks.top/top/

宇野 真由子さんの記事一覧はこちら