暮らすまちで仕事をつくる|NPO法人MYstyle@(マイスタイル)

誰かの大切な想いを知ること。
そして、その想いを未来へ紡いでいくこと。
それは、今を生きる私たちひとりひとりの役割なのかもしれません。

「未来へ紡ぐストーリー」では、誰かのために、社会のために、地球のために活動するみなさんをご紹介していきます。第33回目は、NPO法人MYstyle@(マイスタイル)の代表理事・竹内千寿恵さんにお話を聞きました。

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代表理事竹内さん(右)と副代表理事篠原さん(左)

マイスタイルの活動内容を教えてください。

私たちは東京の小平を中心に、「家族や友人と暮らすまちで、まちを元気にする仕事をつくり、たがいにつながりあいながら働き、暮らしを営んでいく。そして、自分らしく生きていく。」を実現すべく、助けを必要とする人とそれに応えて動ける人を結ぶ仕組みを作るため、コミュニティビジネスの中間支援団体として活動しています。

具体的には、起業や事業相談や、講座を通じた人材育成、交流会を通じた地域ネットワークづくり、地域人材のマッチング、地域資源の調査・発掘、「地域ポータルサイト」の運営・普及などを行っています。2014年からは、東京都女性・若者・シニア創業サポート事業「東京都地域創業アドバイザー」に就任しています。

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小平みらい会議

なぜ、このような活動をされようと思ったのですか。

私は愛媛県今治市の商店街で生まれました。店舗奥に住宅がある昔ながらの店舗が軒を連ね、両親は衣料品店を営んでいました。商店の大人たちが子どもを見守り、時に叱ってくれる、そんなまちで育ちました。

その後、結婚すると、転勤族の妻として、10年間で8度の引っ越しを経験しました。第一子がおなかに宿った頃、実家の両親に介護が必要となりました。当時、見知らぬ街で親戚や知人のサポートが受けられないまま子育てがはじまり、さらに介護もスタート。近所の方々のサポートを受け、ダブルケアを乗り切ることができました。

その時に、『まちには、助けを必要としている人と、その人のSOSに応えて手を差し伸べてくれる人がいる。足りないのは、その両者をつなぐ仕組みだ』と感じました。この時の経験が原点となり、やがて小平に暮らしが落ち着いたのと同時に、現在の活動の立ち上げに向けて、走りはじめました。

マイスタイルが活動し、みなさんが暮らす「小平」とはどんなまちですか。

小平市は、東京都のほぼ真ん中あたり、西武線沿線に位置する、人口約19万(2018年4月現在)のまちです。首都圏からの交通の便はよく、新宿から電車でわずか25分。その地の利に魅力を感じて、移り住む人も多く、2018年現在は、この人口減少時代の中、まだ人口は微増しています。市内に7校の大学があるので、学生の街でもあり、20歳~24歳の年齢層も多く住んでいます。

小平市を一周する小平グリーンロードという全長21kmもの緑道があり、歩いていると、東京にいることを忘れてしまいそうな風景が楽しめます。野菜の直売所も市内に約200ヶ所あり、ブルーベリー栽培発祥の地でもあります。

派手さはない落ち着いたプチ田舎な小平ですが、暮らしやすく、市民の満足度が高いのが特徴です。

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ハタラボ、すだちがある商店街

創業者のお二人がPTA活動を通じて出会い、地域の課題を感じたこともマイスタイルを作ったきっかけということですが...。

小平に引っ越してきたのは、上の子が小学校5年生、下の子はもうすぐ小学校入学という頃でした。転勤が多かったので、それまでPTA役員を経験したことがありませんでしたが、ここで初めてPTA役員をやりました。学校の様子もよくわかるようになり、地域には先生方だけではなく、さまざまな方たちがボランティアの一環で子どもたちの成長を見守ってくださっていることも知りました。一方で、荒れたクラスを目の当たりにすることも。その背景には、さまざまな要因がありましたが、そうした課題に目を向けることができたことも、現在の仕事を立ち上げるきっかけとなっていると思います。

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設立時のマイスタイルコアメンバー

ワークショップやセミナーの開催以外にも、女性のためのコワーキングスペース「すだち」の運営もされているそうですが、ここではどんなことができるのでしょうか。

「すだち」は地方創生の一環で、2016年10月にオープンしました。女性の就労支援の拠点として、小平市と連携しながらさまざまな活動を行なっています。

商店街の空き店舗を改装して誕生した「すだち」は、コンパクトなスペースではありますが、内部には、コワーキングスペース、セミナールーム、キッチン、サロン、保育ルームを完備し、「あったらいいな」をぎゅっとつめこんだ場所です。専業主婦時代に私自身が、欲しかった機能であり、マイスタイルがこれまで講座や相談事業で出会ってきた女性たちのニーズを実現させたいという思いが結実した場所です。

ここに集うのは、テレワーク(在宅での仕事)をしたい、起業したい、自分の店を持ちたいといった目標を胸に抱いた女性たち。子育て真っ最中の方から、子育てが一段落した方、独身の方まで、幅広い方たちが利用しています。スキルや経験を持っていながら、子育てを機に仕事を中断せざるを得なかった女性たちの「また働きたい!」というエネルギーはとても大きいと実感しており、それを具現化させる場所になりたいと考えています。 コワーキングの利用スタイルは、初回はまず無料体験が可能です。また、カフェに来るようにフラッと訪れてスポット利用することもできます。

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女性のためのコワーキングスペース「すだち」

活動をしてうれしいことや大変なことはありますか?

うれしいことは、働きたい夢を実現させた報告をいただいたときや、夢の実現のために小さな一歩を勇気をもって踏み出したことをお聞きした時です。
難しさを感じるときは、少ないマンパワーで、十分なサポートができているだろうか...と内省するときです。

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まちの仕事作りや仲間作りの場「ハタラボ」改装キックオフ

代表理事の竹内さんや副代表理事の篠原さんのように、例えば、何らかの課題を解決するために活動したいと思ったら、まずどんなことをすればよいのでしょうか。

一人でサッと動けなくても、PTAに限らず、何かしらの活動に参加して、一緒に活動できるパートナーを探し、一緒に考え、協力してくださる方とつながることは大事だと思います。

副代表の篠原は、いつも「小学校のPTA役員代表となり、一生の友達ができたこと、活動において無駄なことや無理なことを極力無くすためあれこれ考え、交渉をしたことも勉強になった。書類の作り方、人との連絡の仕方、根回しや交渉、リスクの回避、子どもや家庭のケアなど、やりようによってはPTA活動は社会復帰へのよいリハビリになると思う。しかも「地域の人脈」というお金では買えないお宝がついてくる」と言っています。

今後の展望やご活動について、教えてください。

私が望む社会は、年齢や性別の境界線がうすれ、多様なコミュニティの中で自分らしく、生きることができる社会です。マイスタイルのキャッチコピー「暮らすまちで、仕事をつくる」活動を、真剣・貢献・冒険の精神で進んでいきたいと思っています。

<take action-いま私たちにできること->

新しい街に引っ越してきた時、子育てが一段落した時、定年後など、さまざまなタイミングで「働きたい」と思う瞬間はあると思います。その時に、暮らす街で働きたいと思える仕事があれば、そこで、人同士のつながりも増え、街も活性化していくのかもしれません。PTA役員の仲間であった竹内さんと篠原さんから広がった活動、PTA活動が、こんなに素敵な仲間や仕事につながることがある。人との出会いはやはり大切!(林)

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林 美由紀

Writer 林 美由紀

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。モノを書く以外にも、イラストレーターと合同でカフェでの作品展示など、形にとらわれない創作活動も。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。子は男の子2人。

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