子育てと仕事のバランスに迷う人もこれから起業したい人も。人気のシェアオフィス、マフィス北参道に潜入!

毎日決まった場所に、決まった時間に通勤しなくてもいい。
フリーランスで仕事する魅力の一つに"場所"に縛られないというのがありますよね。

一方で、自宅での仕事は、人と接する機会が少なく気詰まりだったり、気分転換がしにくかったり、というのもフリーランスならではの悩み。シェアオフィスやフリーアドレス制オフィス(コワーキングスペース)も話題になっているし、気になる......という人も多いのではないでしょうか。

東京都内では、千代田区、港区、渋谷区、中央区、新宿の5区だけでも昨年末と比較して約2倍に増えたコワーキングスペース。今年ニューヨーク発コワーキングスペース「WeWork」の日本進出を背景に、拠点あたりの座席数、平均面積も増加傾向にあります。

また、月額14,980円で全国100か所以上のオフィスの自由席が何度でも利用できる「OFFICE PASS」など法人プランを展開するサービスも目立ち、フリーランスのみならず、会社員のリモートワークでの利用も見込んでいることがうかがえます。一口にシェアオフィス、コワーキングスペースといってもその種類は多岐に渡り、何を決め手に選べばよいか迷ってしまいそう......。

そこで、「ママをたすけるシェアオフィス Maffice(マフィス)」を運営するオクシイ株式会社の代表取締役・高田麻衣子さんに、フリーランスがシェアオフィスをどのように活用するとよいのか、お話を伺ってきました。

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今より自分を少し大きく見せたいとき、"専門家としての舞台"として

「マフィス」は、仕事をしたいけれどできるだけ子どものそばにいたい、まだ預け先が決まっていないけれど産後の仕事を再開させなければいけない、育休中に資格取得に向けた勉強をしたい、などの多様な働き方を可能にしてくれる託児付きシェアオフィスの中でもパイオニア的な存在です。

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緑あふれるマフィスのエントランス

一号店の「マフィス 馬事公苑」をクローズし、今年4月に新たにオープンした北参道のオフィスは、創業支援の取組の後押しを目的としている東京都の「平成29年度 インキュベーション施設運営計画認定事業」の中でも女性向けインキュベーション施設としての認定を受けています。

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シンプルでスタイリッシュなオフィススペース。

ただ大きなテーブルに椅子が何脚も並べられ、無造作に電源タップが置かれているような殺風景な作業空間ではなく、デスクから休憩スペース、音響設備や内装にいたるまでトータルでコーディネイトされたオフィスは、いかにも"仕事がデキる人のための場所"といった雰囲気。

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個室のスモールオフィスプラン(月額73,000円〜)もある。

そして、3階には企業主導型保育施設が併設され、月額69,000円から利用可能。子どもたちは、専任スタッフによる保育を受け、人気フードアナリストが監修した「味覚を育てる給食」を食べることができます。

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3階にある保育施設。おもちゃ一つひとつからもこだわりが感じられる。

ここまで条件が揃っていると、やはり気になるのは価格帯です。

マフィスの月額利用料は 26,000円(入会金 30,000円・年会費 8 ,000円は別途)、プラス 10,000円/月で法人登記も可能とのこと(保育料は別途)。

完璧な仕事場で、しかも安心して預けられる託児も利用できる環境が整っているのはうれしいですが、とはいえ、収入が不安定なことも多いフリーランスという立場では即決できない人も多いかも?というのが正直なところですが......。

「決して安くはない価格設定だと思います。カフェでノマドワークするよりも心理的なハードルがあるかもしれないですね。ただ、下駄を履くじゃないですが、今より仕事を伸ばすために少し背伸びしたい、自分を少し大きく見せたいときの転換期に、"専門家としての舞台"と思ってここを利用していただけたらと思っています」(高田さん)

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地元のフリーランスワーカーが多いと思いきや、電車を乗り継いで通っている会員さんも多いとのこと。ここ北参道のオフィスに通うために、他の自治体から引っ越してきた人もいるほど、信頼を寄せられる存在です。

「ここは子育てしながら仕事をするバランスに迷っている人が答えを見つけられる場だと思っています。ママに限らず、自分のアウトプットに意識が高い人は心地よく使ってもらえるはずだし、実際ここから大きく羽ばたいた会員さんもいらっしゃいます。お子さんを保育園に預けられるようになったから一度は卒業したものの、この場所が気に入ってるからデスク利用オンリーで戻ってくる方もいるくらい、場としての魅力を備えてる自信があります」(高田さん)

ママやフリーランスを理由に、単価を安く見積もられない仕組み作りにも尽力

そんな高田さんが、今後、力を入れていきたいと語るのはアウトソーシングサービスのMICA

「マフィスに集まっている人たちのスキルの高さ、幅広さを見ていると、この能力を求めている企業とマッチングできるんじゃないかと感じています。企業も、働く時間ではなく、成果物の質を重視するところが増えてきました。フリーランスで、子育てや介護などで時間に制約がありながら働きたいという女性たちがプロとして活躍できるような力添えができればと思っています」(高田さん)

フリーランスになって感じるのは、会社員時代のような人事・評価制度によって昇給、昇進があるわけではないので、自分の価値を上げる手段も自分自身で考えていかなくてはならないということ。

自分へどう投資するか、パフォーマンスをどう向上すればいいか、など考えてはみるものの、日々の作業で手一杯でなかなかキャリアパスに向き合うことができないのが本音です。そんな中、高田さんの話を聞いていると「環境が人を成長させる」という意味も大きいように感じられ、マフィスは単純な場の提供には留まらない、プロとして仕事をしていく上での強い味方という印象が強く残りました。

真貝友香

Writer 真貝友香

1980年生まれ、神戸市出身。
音楽配信事業のSE、マーケティング職から、出産を機にフリーライターに転身。『MAMApicks』『Laxic』など子育て・教育サイトを中心に執筆中。
女性のキャリア、男性の育児参加、子育て中の息抜きなどが関心事。
お酒と映画と化粧品を与えると喜びます。

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