オーガニックコーヒーを扱うキッチンカーを運営|原崎 恵さん@静岡県

地方で働くってどんな感じ? 地域ならではのフリーランス事情を知りたい!
「地方フリーランス生活」では、自分らしいスタイルで働く地方フリーランサーに、地方で活動することのメリットやデメリットのほか、日頃心がけていることなどを伺います。今回は静岡県で活動されているキッチンカー運営者の原崎 恵さんにお話をお聞きしました。

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■原崎 恵さん プロフィール

活動地域 静岡県
フリーランス歴 2年
職種

キッチンカー運営

経歴

大学卒業後、現地NGOで1年間インターン活動をしながらフィリピンで生活をする。滞在中、フィリピンの山岳地方の環境保全と先住民族の暮らしの向上を目的としたNGOを訪問し、先住民族の方たちが育てたコーヒー豆と出会う。日本に帰国後、コーヒー豆の焙煎と「森と人の珈琲」の販売を副業として開始。結婚を機に、静岡へ移住。オーガニックコーヒーをメインに扱う移動販売車SARI SARI STOREを始める。

ウェブサイト
WEB STORE
インスタグラム @sarisaristore_meg

現在は、どんなお仕事をしているのですか? 

オーガニックコーヒー豆の焙煎と販売と、キッチンカーSARI SARI STORE(サリサリストア)の運営をしています。

フィリピンでは、街角に必ずあるコンビニエンスストアのような、なんでも屋台のような個人店のことを「サリサリストア」と呼んでいます。お菓子やお米、日用品、煙草も1本単位から販売し、お店によって個性があって、気軽に寄れる小さなお店(屋台)のことをいいます。そんなサリサリストアのように、自由に楽しくのびのびと、小さな商いを通して表現をしていけたらいいな、という思いでSARI SARI STOREを始めました。

コーヒー豆は、フィリピンの山岳民族の方たちが森林農法で無農薬・有機栽培で育てたものです。毎年、仕入れから焙煎、販売まで全てのプロセスに関わり、お届けしています。そんな過程を知っていただきたく『森と人の珈琲』という名前をつけました。

SARI SARI STOREでは、コーヒー豆の他に雑貨も販売しています。選ぶ際の基準は、私の普段の生活に近いこと。お会いしたことのある作家さんの雑貨や、旅の途中などで出会ったもの、ひとめぼれしたもの、実際にわたしが普段の生活で使っているものを扱っています。

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「SARI SARI」とはフィリピンの言葉で「色々」という意味です。看板も手作りしました。

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誰もが気軽に寄れる、暮らしに寄り添うお店にしたいと思っています。

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キッチンカーの他にウェブサイトでも販売しています。

普段はどんな生活をしているのですか?

月によってそれぞれ異なるのですが、忙しいシーズン(5月〜10月)は基本的に毎週、週末になるとフェスなどの大きなイベントに出店しています。平日は数日、地元で出店します。

毎月、平日の2日間は地元のお寺の敷地内にカフェ出店をさせてもらっていて、楽しみの1つとなっています。

週末にイベント出店する時は、だいたい週に2、3日は焙煎に加え、出店の際にお出ししている焼き菓子や軽食の仕込みや準備をしています。またイベント後は1日かけて片付けと道具の整理をします。遠方に出店する時は移動に1日使うこともあります。

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知人からの紹介、または自分で見つけたイベントに応募をして出店しています。一度出店した後は、同じイベントに再度、出店することが多いです。

フリーランスになる前は、どのような仕事をされていましたか?どんなきっかけで今の仕事を始めたのですか?

求人サイトが運営するコミュニティスペースのカフェスタッフとして働いていました。結婚を機に静岡に移住後、たまたま良い車に出合えたのが、移動販売をはじめたきっかけです。移動販売なら店舗に比べ初期費用もかからず、自由に動きながら営業ができます。「これならできるかも」と思いました。そこで、車を買い、大工である夫の力を借りて内装をDIYしてキッチンカーを作り、SARI SARI STOREを始めました。

巡り合わせや出会い、タイミングなどいろんなことに恵まれ、行動してみた結果、今の仕事にたどりついた、という感じです。

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旅で出会ったスパイスフードを作るお店『Tierra』とのコラボ出店。静岡県で開催された音楽イベント「FASTIVAL de FRUE」にて

静岡県に移住するきっかけを教えてください。

自然に近いところで生活したいと思っていたので、東京で暮らしている頃から「いつか地方に移住したいなぁ」と考えていました。東京を出て、夫と家探しのために車で日本全国をまわっていましたが、なかなか良い場所に出会えず...。そんな時に、夫の地元である静岡で物件を紹介してもらえることになり、住み始めました。

地元と地元以外のクライアントの割合をお聞かせください。

地元:遠方=8:2です。仕事は、出店先での紹介や、つながりでいただくことが多いです。

出店が決まったら、多くの方に来ていただきたいので、SNSに出店情報や商品の情報、出店の様子などを載せたりしています。

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1杯のコーヒーから、どんどんつながりが広がっています。

静岡を拠点に働くことを選んでよかったことは?

東京で生活をしていた頃より時間がゆっくり流れるようになりました。生活空間も広くなり、考え方や暮らし方にも余裕が生まれました。

今お住まいの土地ならではの仕事の合間のリフレッシュ方法があれば教えてください。

キッチンカーでの出店は、楽しい場所や美しい場所に行くことが多いので「気持ち良い場所で働けて幸せだなぁ」と思う時がたくさんあります。ただ体力を使うので、出店続きで疲れた時には近所の海に行きます。

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思い立ったらすぐ海に行けるのが嬉しいです。

現在の課題は?

移動販売の営業は季節や天候、いろんな条件に左右されるので、1年を通して安定した売り上げを出せるようにすることが難しいところです。インターネット通販や卸しなどの出店以外の仕事の割合を増やす、といった工夫をしていきたいと思っています。ちょうど今、オリジナルボトルアイスコーヒー販売に向けた商品試作とパッケージデザインをしています。商品が完成したら、インターネットでの販売や出店先での販売を考えています。

今後の目標をお聞かせください。

目の前の目標は、自分の納得できるところまで移動販売を続けてみることです。今後の大きな目標は、どんな環境にいても楽しく生きていけるよう、自分自身に力をつけていくことです。

最後に、地方で働くことに興味のあるフリーランサーへ、メッセージをお願いします。

あなたにぴったりの場所が見つかりますように!そこまでの過程もぜひ楽しんでください!

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長野県で開催された音楽イベント「rural」にて。夫作のオリジナルブースで出店しました。

※この連載のバックナンバーはこちらからご覧ください。

曽我 美穂

Writer 曽我 美穂

子どもの頃から環境に関心を持ち続け、現在はエコライター・エディター・翻訳家として独立。環境に関する雑誌やWebサイトでの執筆、翻訳、書籍編集、フェアトレードカタログの企画編集のほか、環境NGOやNPO法人の広報活動にも関わる。また、2年前から地元の公民館や自宅で、こども英語教室の運営も行っている。私生活では2009年生まれ、2012年生まれの二児の母でもある。

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