Vol.4「原稿料の相場がわかりません」

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編集・ライターという共通点を持ちつつ、異なるキャリアパスを経て現在に至ったベテランフリーランサー3人によるトークカフェ。読者から寄せられたフリーランスのお悩みに、ゆるーく、マジメに答えていきます。「た・ま・り」のプロフィールはこちらから

原稿料の相場がわかりません

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初めて取引する会社の人に、「原稿料はおいくらくらいですか?」と聞かれてどう答えてよいか困ることがあります。みなさんは、どのように答えていますか?(30代・ライター)

柏木:私は昔、諸先輩たちから「自分で金額を言ってはいけない。ご予算いくらですか?と聞いてみるのがよい」と教わりました。当時は、事前に金額を提示されないまま、気づいたら振り込まれていたということもあったような......。

小野:え〜、それはすごい。1ページ○万など、ページ単価が決まっている雑誌全盛期ならではのエピソードですね。

谷畑:私は編プロ時代はライターさんに金額を提示する立場だったのですが、いざ会社を辞めて自分がフリーランスになった当初は、なぜか、なんとなく自分から原稿料やページ単価を提示することにためらいがあったんですね。
でも雑誌や出版社のWebメディアの場合は先方規定があるので困りませんでしたし、逆に初めての仕事先から相場感を聞かれた際には、版元の業務委託料を目安にお伝えてしていました。

小野:大手出版社などでは規定はありますが、比較的新しいWeb企業などでは、そうした規定がないことも多いですよね。会社によって、相場感も違いそうです。

柏木:そうそう。「ご予算はどれくらいですか?」と聞くと、「経験がないので相場がわからない」というところも多いんですよね。そんなときは、悩みつつ「ほかの媒体ではこれくらいの条件でやっています」と伝えています。
あとは、原稿料がそれほど良くなくても、発行部数が多い紙媒体、アクセス数の多いWeb媒体で自分のプロフィールを載せていただけて、自著の宣伝ができる場合は必ずしもこの金額じゃないとできないわけではない、ということも申し添えますね。

谷畑:初めて「編集コンサル」の仕事を依頼された際には悩みました。原稿執筆や編集委託の仕事とは違うので「果たして自分の時給ってどれくらいなんだろうか」と、会社員時代の給与で試算してみたり、「みんなはいったいどうしているの?」と思って検索していたら、企業広報まわりの編集制作を請け負うライターさんのサイトがヒットしまして。その方が取材や執筆料以外にコンサル的なヒアリングについても見積もりページでわかりやすく価格提示しているのを見て、「これ、すごく明解。私もやろう!」と、そのときは思ったのですが。でもサイトをつくろうとすること自体がめんどうで、そのまま現在に至ってしまいました(苦笑)。

ちなみに今回のテーマを聞いて久しぶりにサイトを見に行ったら、その方、フリーランスから合同会社代表に転身されていました。事業拡大されたようなんです。「できること、請け負う価格を明確に提示すること」はいってみればサービスであり、コミュニケーションなんですね。大切なことだなと改めて思いました。

小野:私は、メニューにしてしまうと、「そこに書いてあることしかできないと思われるのではないかな」「価格を変更しづらくないかな」と気になってしまって、あえて作らなかった派ですね。

柏木:確かに。書いてある金額よりも、もっと多く出してくれる企業があるかもしれませんよね。

小野:先日お会いした方は、予算を聞かれたときには、減額交渉されるかもしれないことを前提として、自分の相場+αを伝えるようにしているとおっしゃっていました。

谷畑:それも交渉テクニックのひとつですね。

柏木:私は、見積もりを聞かれたときは、わりと条件のよいお仕事を基準にお伝えしています。すると、あまり変なお仕事は来なくなりましたよ。よい条件の仕事をひとつキープしておくのが、交渉しやすくする秘訣かもですね。

小野:なるほどです。提示された金額にもし疑問を感じたときには、以下のような記事を参考にしてみるのもよいかもしれませんね。

●原稿料の相場
出版業界の場合(日本著者販促センター)
WELQ騒動で疑問。原稿料の「相場」って?(BESTTIMES)

●イラスト料の相場
日本イラストレーター協会(JIA)が公表している料金相場

●撮影料の相場
【写真撮影の料金相場は?】プロに依頼して好印象な写真を撮ろう!(外注BOOK by Lancers)

●広告制作料金の相場

●料金交渉に応じてくれないなど、トラブルにあってしまったら
「下請けかけこみ寺」

<た・ま・りの一言>

た:ギャラのいいクライアントさんをつかんでおくことが交渉のコツ!
ま:2019年はぜひ、いろいろな意味で〝アピール上手〟に!
り:思い切って言ってみる勇気が大事かも。

フリーランスの仕事のお悩み相談カフェも、今回で最終回となりました。ご愛読くださったみなさま、ありがとうございました!


た・ま・りのプロフィール

●柏木珠希(かしわぎまき):ライター
prof_tamaki.jpg大学在学中から執筆業を始め、卒業と同時にフリーライターに。2008年から2010年にはライター業の傍ら、築70年の長屋をみずから改装して作ったギャラリーカフェを経営。女性向けの「占い」「開運」といったテーマから「低リスク・低コストの店舗開業」「不動産」などビジネスものまで幅広く執筆。近著はコミックエッセイ「占いで結婚しました!」(イースト・プレス)。アラフォー・アラフィフの結婚やネット婚活がテーマの執筆も多い。

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●谷畑まゆみ(たにはたゆみ):編集・ライター、キャリアコンサルタント
prof_mayumi.jpg編集プロダクションで女性誌編集者としてキャリアをスタート。心理学を学ぶために40代で会社を離れて大学院へ。修了後はキャリアコンサルティング技能士や産業カウンセラー資格を取得し、心理学の知識をもつフリーランスエディターとして始動。ライフワークは「働く女性の生き方」取材、これまでに 取材した一般女性は1000人以上。先日DODA転職フェアに、キャリアアドバイザーとして参加。


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prof_onolina2018.jpgIT企業、女性向けWebメディア編集部で勤務し2006年に独立、2014年に合同会社カレイドスタイルを設立。国内外のネットワークを活かして最適なチームを組みながら、研究機関のサイエンスコミュニケーション支援や、女性向けコンテンツの企画編集を数多く手がけている。独立時に苦労した自らの経験から、2009年に「リズムーン」を立ち上げた。プライベートでは、3人の子を持つワーキングマザー。
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Illustrator えのき のこ

長野出身。女子美術短期大学情報デザイン学科卒。
2005年よりフリーランスのイラストレーターとして、雑誌、web、広告、書籍など幅広い媒体で活動中。二児+三匹の猫の母である。興味があるテーマは「アニマル、子育て、自然、骨董」。
http://www.enokinoko.com/