選択的夫婦別姓の有用性を身近な例で考えてみた

国内外で暮らす女性たちが、「しなやかに、じぶんらしく生きる」日常をお届けするエッセイ。
コロナ禍で先行きが見えない生活の中で、バタバタ忙しい日常の中で、少し狭くなりかけた視野を広げ、自分らしく生きるヒントをお届けします。

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先週、夫婦同姓を「合憲」とする判決が出され、がっかりした人も多いのではないだろうか。⁠⁠

過去に夫婦同姓を義務付けていた国も、1990年代以降、次々と夫婦別姓が選択可能になっている中で、いまだに「結婚した夫婦はどちらの姓を名乗るか選ばなければいけない」という日本の制度は世界的にも珍しく、国連の委員会も「差別的」としてたびたび改正を勧告していた。そんな中での「合憲」。⁠⁠

先日、あるclubhouseを聞いていてびっくりしたのが、国立大学や研究機関では、研究教育活動や人事記録、研究費の申請などの文書で戸籍名を使わなければならないところもあるようだ。実際、1988年に、国立大学の女性教授が国に対して、旧姓名を使用すること、戸籍名の使用を強制されることについての損害賠償を請求した裁判もあったようだ(国立大学夫婦別姓通称使用事件)。国家資格でも旧姓使用に制限がある資格がいまだにあるという。⁠⁠

私が結婚したときは、「結婚とはそういうものなのだ(名字が変わるもの)」と思い込んでいて、夫婦別姓が選択肢にまったく浮かばなかった。⁠⁠

ただその後、「なんで私だけ?」と思いながら、免許証やパスポート、銀行口座、クレジットカードなど諸々の名義変更手続きをしたのを覚えている。仕事はしばらく旧姓で続けていたが、ダブルネーム生活に慣れず、その後、独立のタイミングで「えいやっ」と戸籍名で仕事をすることにしたが、旧姓の名字には愛着があったし、なんとなくこれまで積み上げてきた自分の歴史や実績がリセットされるような不思議な感覚を抱いた。⁠⁠

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ほかにも身近な例として、私の両親は、私が小学校の頃に離婚したのだが、母は子どもの名字が変わらないようにと旧姓に戻さなかった。でも、子どもたちが成人・結婚したあとも、手続きが面倒だと結局旧姓に戻さず、今に至る。バツイチの友人も、仕事で名前が変わると不都合があるし、忙しくて手続きにいけないという理由で元夫の姓のまま。⁠⁠

どれだけ大変なのかを調べてみたところ、離婚日から3か月以降に旧姓に変更する場合、役所での手続きに加えて家庭裁判所に申立てて「やむを得ない事由がある」と判断されることが必要、かつ少額だが費用も発生するようだ。無事に旧姓に戻れたとしても、再びまたあの煩雑な名義変更の手続きが待っている。性を変えた側の負担が大きすぎるよな、と身近な例からも感じずにはいられなかった。⁠⁠

これからは、女性も社会進出してどんどん活躍していく時代。⁠⁠
結婚による姓の変更が強制されることで社会的な不便や不利益を被る人が出ないように、選択的夫婦別姓が認められる世の中になってほしい。⁠⁠

せめて、我が子が成人する頃までには必ず、と思わずにはいられない。⁠

オノリナ

Writer オノリナ

合同会社カレイドスタイル代表
心を動かす価値ある情報やモノをキュレーションして届けたい!という想いのもと、国内外のネットワークを活かして最適なチームを組みながら、企業のメディア運営やサイト制作、ECストア「24rhythm」などのWeb関連事業を手がけています。人生を欲張りに味わい尽くしたい3児の母、リケジョWeb編集者。趣味は卓球。

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