国内外で暮らす女性たちが、「しなやかに、じぶんらしく生きる」日常をお届けするエッセイ。
コロナ禍で先行きが見えない生活の中で、バタバタ忙しい日常の中で、少し狭くなりかけた視野を広げ、自分らしく生きるヒントをお届けします。

はじめまして。
このたび24rhythmでコラムを執筆させていただくことになりました、イタリアのフィレンツェでアクセサリー・ジュエリーのデザイン・製作をなりわいとしているサチと申します。
2013年にジュエリー留学でここへ来て、学校終了後もこの地にとどまり、気がつけばすでに8年。イタリア暮らし8回目の夏を迎えようとしています。
高台になっているボーボリ庭園からの風景。 左からジョットの鐘楼、ドゥオモ、右にベッキオ宮殿のアルノルフォの塔が見えます。
今年、イタリアの夏は例年よりも暑くなると予報されているそう。
確かに6月初旬からフィレンツェでも日中30℃を超える日が続き、一昨日などは最高気温38℃。昨年の6月と比較すると確かに暑い。
私の家にはエアコンがありません......と言うと日本の友人たちはみんな驚くのですが、オフィスや店舗などの商業施設以外のイタリアの一般家庭には普及していないのが普通かも?
私の知人宅でもエアコンが設置されている家は数えるほどしかなく、特にコロナ後は換気の面でエアコンに否定的な人が多くなったような気がします。
8月の夏の盛りともなれば最高気温40℃を超える日もあるフィレンツェ。さてどうやって乗り切るのかというと「窓を閉める」。この一言に尽きます。
夜間から早朝の涼しい時間帯に窓を開けて風を入れ、外気温が30℃を超え始める時間帯からは、室内が温まらないよう窓の鎧戸を閉め、日差しを遮断。外からの熱風が入らないように窓ガラスも閉めます。こうしておけば外は暑くても室内は30℃以下に保たれるのです。
でもやっぱり暑いので(笑)扇風機は必需品ですね。
アルノ川にかかるベッキオ橋。わずかながら観光客も戻ってきています。
フィレンツェは盆地である上に、中央にアルノ川が流れているため、イタリアの他都市と比較すると湿度が高いのですが、さすがに日本ほどの蒸し暑さではないので、この方法が通用するのだなと実感しています。
日本で夏の盛りにエアコンもつけずに窓を閉め切ったら熱中症になってしまいますよね。
ひとつ問題点を挙げるならば、ほぼ一日中室内が暗いこと。日中は薄暗闇の中で過ごし、日が落ちてから窓を開ける。太陽を避ける生活はまるでヴァンパイアのよう。
ちなみに真夏は、特に用事がなければ午後の外出も避けています。夏のイタリアは日本よりも日照時間が長く夜9時過ぎまで明るいのですが、正午から夕方6時くらいまでがいちばん日差しが強く気温も高い。この時間帯に外に出るとすぐにバテてしまうので、用事は比較的涼しい午前中に済ませるのが得策なのです。
さまざまな工夫を凝らしつつ、今年もエアコンなしのナチュラル生活で夏を乗り切る予定です。