イタリア的ゆるナチュラル生活

国内外で暮らす女性たちが、「しなやかに、じぶんらしく生きる」日常をお届けするエッセイ。
コロナ禍で先行きが見えない生活の中で、バタバタ忙しい日常の中で、少し狭くなりかけた視野を広げ、自分らしく生きるヒントをお届けします。

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イタリアに暮らし始めてから、生活が基本的にナチュラル志向になりました。
年齢が上がるに従い、自分の健康のことを前よりも気にするようになったからです。私の周りには、ナチュラル志向な人が多いので、その影響も大きいと思います。

あとは、イタリアでなるべく病院に行きたくない。という事情もあります。
ホームドクター制で、診察費が無料なのはありがたいのですが、具合が悪くて自分のドクターに予約を入れても、一週間先の日付を指定されることもあり、緊急の場合は救急病院に行って長時間待つか、個人病院で高額な診察料を払うことになってしまうからです。

独り身なこともあって「自分の健康は自分で守るしかないのだ」という意識も強くなり、ずっと元気でいるためにも、自分の身体にやさしいものを求めるようになってきました。

いまケミカルな薬は極力使わないようにしています。ひどい花粉症の私は、日本にいた頃は、花粉が飛び始める前の1月から5月頃まで、毎日抗ヒスタミン薬を飲んでいましたが、長期間連続して薬を使い続けるのは身体に悪いと感じ、イタリアに来てからは飲むのをやめました。
とは言っても、花粉症がなくなったわけではないので、ホメオパシー療法を取り入れたり(アレルゲンである花粉の成分を毎日少しづつ摂取して身体を慣らす方法)、フランス発祥ジェモセラピーの黒スグリの芽エキス(自然の抗ヒスタミン薬)を試したりしながら、毎年花粉の時期を乗り超えています。
イタリアにはエルボリステリア(Erboristeria)と呼ばれる自然派薬局が身近に存在し、上記のようなナチュラル処方のお薬やコスメが簡単に手に入るので助かっています。

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そのほか、街でオーガニック・マーケットが頻繫に開催されているのも、ナチュラル志向への関心を高めるきっかけになりました。

フィレンツェでは毎週、どこかの広場でオーガニック製品や地元産作物の市場が頻繁に開かれています。大規模なものになるとオイル、チーズ、ジャムやハチミツ、パン、ワイン、野菜などの食品以外にも、生花、洗剤、コスメ、コットンやウールの布製品、木製品、革製品、陶器などなんでもそろうので、見ているだけでも楽しいです。

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私の家の近くにある大型スーパーではオーガニック製品が普通に販売されており、市場や専門店に足を運ばなくても購入できます。
野菜と果物は専用コーナーがあるのですが、それ以外の食品や日用品はオーガニックではない通常製品と同じ棚に並べて販売されているので、分かりやすいように値札の下に緑色のカードで「BIOLOGICO(イタリア語で"オーガニック"の意味)」と記載されています。
通常の製品と同じ棚にあるので、製品同士の比較がしやすいのが良いところ。オーガニックのほうが価格は高めですが物によっては大きな差は無く、0.5ユーロ(約65円)高いだけならば人工添加物が使われていないオーガニック製品を選ぼうかなという気持ちになります。

全ての食品や日用品をオーガニック製品にしているわけではなく、身体に悪いことは分かっているけれど大好きでやめられないポテトチップスなどのジャンクフードも時々は食べていますが、日本にいたときよりも体調が良いのは確か。あまり風邪をひかなくなったし、季節の変わり目に発症していた喘息が全く出なくなり、胃腸の調子も良い。
今のような、ゆるナチュラル生活がストレスも溜まらず自分に合っているみたいです。

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Sachi

Writer Sachi

大学でのイタリア美術史研究に端を発するイタリア愛が高まり、2013年秋に東京での会社員生活を捨ててイタリア・フィレンツェのジュエリー学校へ留学。2年間在学の後この地に留まり製作を続けています。
未来の自分が後悔しないために、やりたい事は実現させる。今を楽しむ!をモットーに、40代シングル外国人には決して楽しいことばかりではないイタリア生活を、マイペースに”楽しく”やっています。

instagram:@sacifelice Online shop: Felicina Design

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