体の声を聞く

国内外で暮らす女性たちが、「しなやかに、じぶんらしく生きる」日常をお届けするエッセイ。
コロナ禍で先行きが見えない生活の中で、バタバタ忙しい日常の中で、少し狭くなりかけた視野を広げ、自分らしく生きるヒントをお届けします。

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ビクトリア州ではワクチン接種率がまもなく80%に達する予定で、3ヶ月近く続いたロックダウンが解除されることになりました。まだ感染者数は多いので不安はありますが、子どもたちが登校できるようになるのでうれしいです。

ワクチンといえば、1本目を打ったときに対応してくれたナースに「接種後に運動してもいい?」と聞いたら、「運動しても大丈夫。Listen to your body.(自分の体に聞いてみて)」と言われました。

副反応の出方は人それぞれだし、その日の体調などによっても変わってくるものだから、一番正しいのはきっと自分の体の感覚なのでしょうね。

最近フィトテラピー(植物療法)を学んでいるのですが、そこでも「体の声を聞く」ことの大切さを何度も説かれました。
心は「まだ大丈夫」とウソをつきますが、体はウソをつけません。体が「もう無理」と言っていたら必ず体調に出てくるので、心ではなく体に聞くのが良いのだそうです。

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朝の犬の散歩中の景色。サマータイムが始まり1時間早まったので、朝日が昇るところが見れました。

コロナ禍で健康の大切さを実感している方は多いと思います。
私も海外転勤で生活環境が大きく変化した昨年から、無理しないこと、体調を優先することを意識するようになりました。

これまでは仕事や家事育児、さらに趣味などで忙しく、ついつい体調は後回しで突き進んでしまいがちでしたが、今思えば睡眠時間や体を動かす時間が少なかったなと思います。
仕事で大きなストレスを受けたあと、健康診断でいつもより悪い数値が出たこともありました。体は正直ですね。

そうはいっても、自分のことを後回しにしなければ家庭や日常が回らないこともあるので、眠かったらもうちょっと寝るとか、たまにはウーバーイーツを使うとか、本当は大丈夫じゃないのに「大丈夫」ととりあえず言わないとか、少しずつ意識改革しています。

こんなふうに体のことを考えるようになったのは、40代半ばになり、20代30代の頃と同じではないことを嫌でも実感させられているから、ということもあります......。
年齢による体の変化は自然なものとして潔く受け入れつつ、ふたつとない自分の体で、この先の数十年もサステナブルに過ごしていけるように、まずは自分の体の声を聞いてみることを忘れないようにしたいです。

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松本幸

Writer 松本幸

ライター・Webディレクター・Berries and Flowers 主宰

ITベンチャー、女性向けメディア、外資系企業にて働く傍ら、フラワーアレンジメントを習い講師資格を取得。夫の海外転勤を機に退職し、アメリカのヒューストンに引越す。帰国後はフリーランスのWebディレクターとして働きながら「かわきばな®」を学び、お花のワークショップや作品販売を実施。現在はオーストラリアのメルボルンから、オージーライフのエッセイを綴っています。

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