3人に1人がフリーランスの米国! 最新フリーランス事情〜前編

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photo by Jeff Sheldon

3人に1人がフリーランサーといわれる米国の最新フリーランス事情に迫ります。

フリーランサーへの追い風いろいろ

25万人以上の会員を有するフリーランスのための労働組合Freelancers Unionと、世界最大のクラウドソーシングサービス会社Elance-oDeskが2014年9月に発表した"Freelancing in America: A National Survey of the New Workforce"によると、さらなる追い風が吹いている米国のフリーランス事情を読み解くことができます。

‐フリーランサーへの需要&評価が高まっている

2014年は前年比2倍のフリーランサーが需要の高まりを実感。

‐さまざまなクラウドソーシングサービスが登場して、個人で仕事がしやすくなっている

69%のフリーランサーが「インターネットサービスの普及にともない、仕事を見つけやすくなった」と答え、42%が「インターネットを介したプロジェクトに参加したことがある」と回答。

‐フリーランサーの市場の成長の余地がまだまだある

「もっと働きたい」というフリーランサーが38%おり「労働時間を減らしたい」という12%のフリーランサーよりも多い。

‐35歳以下の人たち(ミレニアル世代)が、特にフリーランスになりたい志向が強い

ミレニアル世代の38%がフリーランサーで、そのうち82%が「フリーランサーとしての未来は明るい」と回答。

加えて、社会背景として、米国では今「ギグ・エコノミー(単発で仕事を発注する非正規労働経済)」が拡大傾向にあります。ギグ・エコノミーの筆頭として挙げられるのが、Uber(ウーバー)AirBNBなどのビジネス。Uberは、一般の登録ドライバーが自家用車でタクシーより安い料金で目的地に連れて行ってくれる、といういわば自家用車を利用した相乗りサービス。運転免許があれば誰でも簡単にフリー契約で登録ドライバーになれます。AirBNBは、自宅などに所有している空き部屋を宿泊施設として提供するサービスで、この貸し手も、フリー契約で気軽に登録できます。さまざまな仕事にフリーランスとして気軽に挑戦できるようになってきたのです。

では、フリーランサーの実際の生活、仕事ぶりはどうなのでしょう?

5つのパターンでみるフリーランスの傾向

今回の調査では、フリーランサーを、働き方&生活パターン別に5つに分けていました。

独立受託者
(Independent Contractor)

雇用主はおらず、プロジェクトごとに契約し、仕事をする。

40%

ムーンライター
(Moonlighter)

常時雇用されているが、副業として空き時間にフリーランスの仕事をしている。(例:昼間は企業でウェブ・ディベロッパーとして働き、夜は非営利団体のプロジェクトの仕事をしている。)

27%

多様な労働者
(Diversified Worker)

雇用主のもとで働きながらフリーランスの仕事もしている。(例:歯科クリニックで週20時間働きながら、空き時間にUberを介した仕事やライターの仕事をしている。)

18%

非正規労働者
(Temporary Worker)

雇用主と契約して働いているが、雇用形態が非正規の状態で働いている。(例:ビジネス戦略コンサルタントとして企業のスタートアップ・プロジェクトに数か月単位で参加している。)

10%

事業主
(Business Owner)

フリーランスとして、1~5人の労働者をかかえてビジネスをおこなっている。(例:フリーランスでソーシャルマーケティングの仕事をしているのだが、自分のマーケティングチームを立ち上げ、マーケターを数人雇って働いている。)

5%

ちなみに、日本のフリーランサーの内訳は、日本国内で、労働人口の19%(1,228万人)がフリーランサーとして過去12か月に仕事の対価として報酬を得ている、と言われています(※)。そして、うち半数がムーンライター(定職以外の副業として働く人)として働いており、36%が独立して働く自営業者(独立受託者や事業主など)です。日本は副業で働くムーンライターが多いのですね。

では、みんながフリーランサーになった理由はどんなものなのでしょう?

フリーランサーになった理由は?

一番多い理由(68%)が「より多くの収入を得るため」でその後に「スケジュールを柔軟にくむため」(42%)が続きます。また、半数以上(53%)が自分で選んで、フリーランスになっています。ちなみに日本では「時間や場所に縛られず、自由で柔軟な生活ができる」が46%で一番の理由となっており、その後に経済的な理由が続いています(※)。

フリーランスになってよかったことは?

ニューヨークで広報の仕事を続けた後、フリーランスのライター、コミュニケーションスペシャリストとして15年間活動しているミッキー・モリセットさん(ミネアポリス在住)は「フリーになって、時間の融通がきくし、プロジェクトベースで興味のあることを追求できるのがとても良いです。このキャリアでものすごくハッピーです」とコメントを寄せています。また、下記のようなコメントもありました。

「自分でスケジュールを決められ、興味ある分野にチャレンジできる。」

「スケジュールをコントロールされないで、働き方、働く内容を決める方が好き。オフィスの環境よりストレスが少ないし、畑をみる時間もあります。」

「家族のために収入を増やすためにフリーの仕事を始めましたが、やっていくうちに、自分の成長、自由なお金を得ることができました。」

これらの声は、日本のフリーランサーも「わかる~」とうなずくような内容が多いのでは?
でも、フリーランサー個人が直面している課題や、フリーランサー増加に伴う問題点はないのでしょうか? 後編では、フリーランサーをとりまく課題、その解決策を詳しくご紹介します。

2015年3月のランサーズ株式会社の調査より

曽我 美穂

Writer 曽我 美穂

子どもの頃から環境に関心を持ち続け、現在はエコライター・エディター・翻訳家として独立。環境に関する雑誌やWebサイトでの執筆、翻訳、書籍編集、フェアトレードカタログの企画編集のほか、環境NGOやNPO法人の広報活動にも関わる。また、2年前から地元の公民館や自宅で、こども英語教室の運営も行っている。私生活では2009年生まれ、2012年生まれの二児の母でもある。

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