【子連れワーケーション体験記】小6息子とフランスに行ってきました

2018_france_0.jpg今年8月、小6息子を連れて、「ワーケーション」でフランスに行ってきました。

「ワーケーション」という言葉を、聞いたことはあるでしょうか? 仕事(work)と休暇(vacation)を組み合わせた造語で、休暇中に旅先などで仕事をする働き方として、アメリカなどを中心に広まりつつあるスタイルなのだそう。比較的自由に働く場所や時間を設定できるフリーランサーだけでなく、最近は、日本航空(JAL)など、大手企業でも新しいテレワークの仕組みとして取り入れているようです。

とはいえ、フリーランスもなかなか長期休みを取りづらいのが現実ですよね。過去にリズムーンで実施したアンケート結果でも、「休暇中も完全にオフ!というわけにはいかない」フリーランス事情が浮き彫りになりました。

フリーランスマザーのあるある事件簿「事件簿11 長期休暇、取りやすいのはホント?」
今日も家でおしごと「Vol.7 年末年始を心穏やかに過ごすために」

メリハリをつけてしっかり休むことはもちろん大事ですが、代わりのいないフリーランスにとっては、完全オフにしたくてもできない厳しい現実があります。それを、「休み中も仕事して...」とネガティブに捉えるのではなく、「働きながら休む」と肯定的にとらえる「ワーケーション」という表現は、なかなかよいキーワードだなと。

実際、私もフランスに行く直前に知った言葉だったのですが、「働きながら休む」という感覚が、まさに今回の体験にぴったりだったので、「ワーケーション体験記」としてまとめたいと思います。

なぜフランスでワーケーション?

私には、リモートワークをベースに、世界中の人たちとつながって仕事がしたい、場所と時間にとらわれずに働きたいという夢があります。それに向けて準備をコツコツと進めているのですが、その中で、現在業務をお願いしているフランス在住のスタッフとの出会いがありました。

普段のコミュニケーションはChatWorkで、打ち合わせが必要なときはSkypeで、年に1度の帰国のタイミングには対面で一緒に作業をするというかたちで信頼関係を深めてきました。でも、限られた時間の中で効率性を求めてしまうと、どうしても仕事の話がメインになってしまい、じっくりお互いのことを話す機会がなかったのです。

一緒に長く働きたいからこそ、どんな働き方をしたいのか、今後チャレンジしてみたいことは? 女性として母として、日々どんなことを感じているのか、じっくりと話をしてお互いの理解を深めたい。

そう思い、ワーケーション先はフランスにしようと決めました。
いつもの仕事環境を少し抜け出して、事業について深めたり社員同士の絆を深めたりする「企業合宿」のようなイメージです。

また同時に、ここ数年、取り組んでいる「ものづくり」の視察として、歴史あるフランスの伝統工芸や職人文化を見たり、ヨーロッパの各地から集まる生地の問屋街を訪問したりしたいという目的もありました。幸い、スタッフが住むブルターニュ地方にもさまざまな伝統工芸品があることを知り、現地で案内してもらえることに。

そんなワーケーションのお供に選ばれたのが、6年生の長男です。6年生というと、中学受験率が高い都内では、夏休みは塾の予定でびっしり!というケースが多いのですが、我が家は、いわゆる進学塾には通わせていません。すると、ウワサには聞いていましたが、夏休みは本当に暇なんですね〜。遊び相手がいない! だったら、他の人には体験できないこと、6年生の今しかできないことを一緒にやろうと提案したところ「いいね」と乗り気の返事がかえってきました。

この先、息子と2人で旅行する機会をつくるのもどんどん難しくなりそうだし、どんな反抗期が待っているかもわからないし、行くなら今しかない!という思いもありました。

滞在期間中の働き方をイメージして事前準備を

親子留学の場合、子どもの予防接種や滞在先、学校や保育園、ベビーシッターの手配などがありますが(参考記事)、ワーケーションは、通常の海外旅行の準備とあまり変わらないといってもよいでしょう。子どもの年齢もある程度大きいので、長時間の飛行機もまったく問題ありませんでした。

いくつか準備で意識したポイントとしては、

・早めにチケットや移動手段を手配する

年始には渡仏を決めていたので、春先から航空券のリサーチをはじめました。私自身、海外はかなりのお久しぶり(実際、パスポートも切れていた!)なうえ、子どもも一緒なので、少し高くても乗り継ぎのない羽田発の直行便を選びました。早めに購入したので、夏休みにしては比較的安いチケットを入手できたと思います。

・仕事の予定を調整をする

滞在中の仕事と休暇の割合は、4:6くらいをイメージしていました。渡仏中に案件が重なったり、急な対応が発生したりしないように、数ヶ月前からスケジュールを調整しました。それがうまくいったため、ワーケーションに行くことを実際に伝えたのは取引先の一部の人のみでしたが、とくに問題はありませんでした。

・現地でのネット環境を整える

Wi-Fiが使える滞在先を選ぶのはもちろんのこと、日中、どこでも連絡がとれるようにしておくため、Wi-Fiレンタルはマストでした。でも、Wi−Fiレンタルは、意外と高いんですよね(普段、いかにデータ通信量を意識せずにスマホを使っているかに気づかされました)。比較検討して、1日あたりのデータ通信量500MBのプランを契約し、日中の外出先では、メールチェックやメッセンジャー、slack、ChatWorkで仕事のやりとりを行い、データ使用量が多いといわれているSNSは極力使わないようにしました。 滞在スタイルに合わせて、ホテルのWi-Fiや、街中のカフェで使えるフリーWi-Fiで十分なケースもあると思いますので、どの程度現地で仕事をするのか、そのために必要な環境は?と考えて準備するとよいと思います。

実際、どんなふうに過ごしたの?

サマータイムの時期だったので、日本とフランスの時差は6時間。時差ボケで、3時半には自然と目が覚めてしまうので、日本時間午前中のメールのやりとりや、Skype会議にも問題なく参加することができました。

朝食までの3〜4時間を仕事時間にし、日中はパリ市内を観光しながら、移動中にメールをチェックしたり、slackなどでやりとりをして、ホテルに戻ったあと必要な作業があれば仕事する、というリズムで過ごせました。日没が22時近くで、空がいつまでも明るかったので、一日がものすごく長く感じました。

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夜8時を回っても、昼間のように明るかったパリ。

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パリでのフリータイムは2日間しかなかったため、かなり詰め込み過ぎてしまった感はありますが、観光と視察とを程よい織り交ぜながら楽しむことができました。

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ノートルダム大聖堂の前で。パリで2人で撮った写真はこれ一枚でした><。自撮り棒は必須ですね。

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市内観光の合間、モンマルトルの麓にある生地屋街を視察。

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観光で私的に一番のヒットだったのは、サン・マルタン運河のクルーズ。トンネルの中を走ったり、水位調整を行いながら上流へ登ったりで、ちょっとしたアトラクションのようでした。

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1929年に建設された旧鉄道駅を改装して作られた巨大インキュベーション施設「Station F」を見学。

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絵画のような街並みに癒やされながら、パリではとにかく歩きました。

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息子は「凱旋門」を自由研究のテーマに。

ワーケーションの後半は、いよいよスタッフのいるブルターニュ州へ。そこでも、午前中はパソコンを並べて対面で仕事をして、午後から市内観光や博物館、カンペール焼きの窯元などを案内してもらい、夜はお酒を飲みながら、いろんなことを話すという、密度の濃い時間を過ごすことができました。

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パリからはTGVで移動。

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300年の伝統を誇るカンペール焼で有名な「HB Henriot」を訪問。伝統的な絵柄は、すべて職人たちが手描きで仕上げているそう。

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最終日は、足を伸ばして、念願のモン・サン=ミッシェルへ。

ワーケーションをしてよかったこと

・スタッフとの絆を深められた

リモートでできないこともないですが、やはり実際に会って話をすることは大事だなと改めて実感。互いのライフステージやライフスタイルを知ることで、相手を思いやる気持ちがより強くなったような気がします。

・子どもと2人きりの時間をゆっくりとれた

ただでさえ毎日バタバタと忙しい中で、しかも3きょうだいだと、意識していても一人ひとりとじっくり向き合う時間が取れないのが現実です。長男と2人きりで、四六時中、しかも10日間も一緒に過ごしたのは初めてかもしれません。道中、いろいろなことを話し、とても貴重な時間を過ごすことができました。唯一、残念だったのは、時差ボケで子どもも夜遅くまで起きていられないので、夜の外食ができず、フランスワインを楽しめなかったことです・・・。

・仕事のモチベーションアップに効果大

環境を変えて仕事したことで、たくさんの刺激やインプットがあり、新しいアイディアやインスピレーションの源にもなりました。そして、「またワーケーションに行くぞー!」と仕事へのさらなるモチベーションアップにもつながりました。これが一番大きいかもしれません。

おまけ:残された家族の反応は?

息子と2人で、ワーケーションに行く(行ってきた)という話をすると、必ず「え、ほかの家族は?」と聞かれます。

下の子2人に話したときは、最初は「えー、ずるい!私もいきたい!」という反応でしたが、「高学年になったら、順番に行けるんだよ」と説明したところわりとすんなり納得した様子。今からどこにいくか、といろいろ考え始めているようです。きちんと実現できるように、ますます頑張らないとですね!

そして留守中、保育園の送り迎えや食事づくり、さらに学童のお弁当づくりもすべてワンオペで担当していた夫の協力は、大変ありがたかったです。お弁当は私よりも上手に作っていたので、そのまま引き継いでもらいたかったのですが、それは難しいようで...。

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夫作お弁当。最終日は、3人でカラオケで打ち上げをしたそうです(笑)。

まとめ

リズムーンでも過去に親子留学のコラムを連載していて、「いつか私も!」と思いつつ何年もたってしまいましたが、ワーケーションというかたちで、実現することができました。世界各地にいる仕事のパートナーさんを訪ねるワーケーション、これはクセになりそうです。

一例として私の体験をご紹介しましたが、仕事と休暇の割合次第で、また違った体験になるのではないかなと思います。「いつか子連れワーケーション、やってみたいな」と関心をもってくださった方がいたら、臆せずぜひ体験してみてください! 公私ともに、かけがえのない思い出のひとつになること間違いなしです。

オノリナ

Writer オノリナ

Webプロデューサー・リズムーン編集長
リズムーンを運営する合同会社カレイドスタイル代表。女性向けWebメディア編集、フリーランスを経て、2014年に法人を設立。国内外のネットワークを活かして最適なチームを組みながら、研究機関のサイエンスアウトリーチ支援や、企業オウンドメディアの女性向けコンテンツ企画・制作を数多く手がけている。また、独立時に苦労した自らの経験から、女性フリーランスコミュニティ「リズムーン」を2009年に立ち上げ、「個」が主役の多様な働き方を加速させる社会の実現に向けた事業・サービスを展開している。プライベートでは、3人の子を持つワーキングマザー。趣味は卓球。

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