Vol.09 ハーバルライフデザイナー 丸山みきさん

Profile

専業主婦から、フリーライター、事務アルバイトを経て、ハーバルライフデザイナーへ。派遣社員として働きながら、2008年10月に株式会社バジルを設立。ハーブ料理やハーブティ教室を開催しているほか、ハーブに関する執筆活動、製品開発なども手がけている。ハーブ関連商品を販売するオンラインショップ「ブーケガルニ」を近日オープン予定。

丸山さんのサイト
株式会社バジル

「おばあさんになっても続けられる 好きなことを仕事にしたい!」

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丸山さんが代表取締役を務める株式会社バジルのサイト。ハーブに関するコラムなども随時追加されていく予定なのだそう。2009年4月より、ケーブルテレビ・ジェイコム東京で放映中の「ステキにダイニング:STYLE」にレギュラー出演中。丸山みきの「ハーブにまつわるエトセトラ♪」というコーナーで、生活のさまざまな場面でハーブを取り入れるポイントを紹介している。

ハーブを取り入れた生活を提案する"ハーバルライフデザイナー"として活躍中の丸山みきさん。明るくて親しみやすく、優しい笑顔が印象的な丸山さんと話していると、いつも笑いに包まれた丸山家の団らんの様子が目に浮かんでくるよう。現在は高校生と中学生になる二人の子どもの成長にあわせながら、専業主婦から一歩踏み出して、"好きなことを仕事にする"までの道のりについてお話を伺った。

大学卒業後、IT企業でSEとして7年ほど勤務したのち、すでに結婚していた丸山さんは「専業主婦も一度は経験してみたい」と軽い気持ちで会社を退職。その後、タイミングよく2人の子どもを授かり、子育て中心の日々を過ごしていた。「子どもが小さいうちは、子育てに自分の時間の多くを費やしてもよいかなと思っていたんです。でも一方で、"働きたい""もっと外に出て自分のやりたいことにチャレンジしたい"と、はがゆく思うこともありました」

子どもが成長し、だんだんと手がかからなくなるにつれてその気持ちは大きくなり、「自分はこのままどうなっちゃうんだろう?」と焦燥感を覚えるように。自宅でもできる仕事を始めようと思い、ライターの通信講座を受講してフリーランスで仕事をうけたり、ITのスキルを生かして事務アルバイトをしたり、少しずつ仕事を再開していった。「夫に気兼ねして生活していたわけではないのですが、自分で稼いだお金を使って、本を買ったり、友人とランチをしたり......というのがすごく気持ちよかったですね(笑)」と当時の思いを話す。

「どうせやるなら、おばあさんになっても続けられる好きなことを仕事にしたい」と考え、丸山さんが行き着いたのが料理だった。「作ったお料理を食べてもらうことが好きで、よく友人を招待してホームパーティを開いていました。また、小さい頃から、わさびなどの香辛料やネギ、シソといった香りのあるものが大好きだったんです。この2つを組み合わせてなにかできないかと考えた結果、『ハーブ料理を教えたい』と思うようになったんです」

理想のカタチへと整えるために派遣社員との兼業を選択

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ご自宅のテラスにあるハーブ菜園の様子。ローズマリー、イタリアンパセリ、セージ、バジル、ローリエなど、約20種類のハーブが栽培されている。

ハーブは、料理、お茶、クラフト、ポプリ、アロマテラピー、栽培、コスメ......と、各分野で楽しんでいる人はいるが、生活に根ざしているわりには一般的にはまだ深く知られていない。丸山さんは、ライター業やアルバイトの傍ら、料理の基本クラスや、ハーブ関連の講座を片っ端から受講。さらに、当時は料理研究家として活躍していた飯田ようこさんのアシスタントとして働き、現場経験を積みながら、ハーブ料理教室開催のための準備を進めていった。

ちょうどその頃、参加していたメーリングリストのランチ交流会で、薬膳の勉強をしている女性と出会う。すぐに意気投合し、ハーブと薬膳をコラボレーションさせた料理教室の企画が持ち上がった。「薬膳もハーブも、季節とその地域に応じて、その時期の体調にあったものをいただくという考え方は同じ。毎月テーマを決めて、それにあうメニューを提案していけたらと思ったんです」。タイミングよく、知人の紹介で飲食店のスペースを貸りられることになり、とんとん拍子で教室の開催が実現することになった。

薬膳とハーブの料理教室は、すぐに毎回キャンセル待ちになるほど人気に。2年目に入ったころからは、お酒に合うレシピを提案する「酒の肴倶楽部」もスタート! リピーターも増え、料理教室の運営にも手応えを感じつつあったが、突然、母親が体調を崩し、その看病のため、惜しまれながらも活動を一旦休むことにする。その後は、場所を自宅に移し、「ローズマリーキッチン」という愛称で、ハーブ料理、ハーブティ教室などを不定期で開催していた。

家族のことを第一に考え、できる範囲で時間をやりくりしながら活動を続けていた丸山さんだが、なんと次のステップとして、派遣社員として働くことを選択する。「もっと料理のことを勉強したいし、将来、お教室やショップを開くことを考えると、やはりそのための軍資金が欲しかったんです。そんなときに知人から『派遣社員として働かないか』という話をいただいて......。子どもの受験期と重なっていたこともあって悩みましたが、あとで後悔したくないと思い、フルタイムで働くことにしました」

派遣社員の傍ら会社を設立。いつかハーブ事業に集中したい!

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味がイマイチ合わなかったワインは、「ハーブワイン」にするのがおすすめとのこと。白ワインはハイビスカスやローズマリー、赤ワインはセージやローズマリーとの相性が◎。「ワイン1本にドライハーブを大さじ1〜2ほど入れて湯煎にかけます。ハーブの香りがワインに移ったら、火から下ろして1〜2時間放置してハーブを引き上げ、冷ましてからいただきます」※湯煎の際は耐熱容器をご利用ください。

平日は会社員として働き、週末はお教室やイベント活動を単発で行いながら、「いつか、ハーブの仕事に注力したい」という想いを膨らませていった丸山さん。勤務先の上司にも、独立への想いはすでに伝えていて、イベントや収録などの都合に合わせて休みを調整できるよう交渉済なのだとか。派遣での仕事を続けながら、2008年10月には株式会社バジルを設立。今年の4月からは各種教室も単発で再開し、現在はハーバルライフのためのオンラインショップ開設に向けて準備を進めている。

「ハーブの仕事に今すぐにでも注力したいという思いがある一方で、会社での仕事も楽しいので、辞める時期がなかなか決められないのも事実。しばらくは安定収入があった方がよいかな、などいろいろ考えますが、独立のタイミングはきっと自然に訪れると思っていて......。焦らずに流れにまかせてマイペースでやっていこうかなと思っているんです」

今年は、ケーブルTV「J:COM」の主婦向け生活番組へのレギュラー出演や、和のハーブである「青森ヒバ」を使った新製品のプロデュース、「せたがやeカレッジ」での料理教室ネット配信、ハーブ情報誌の発行など、活動の場がさらに広がっていく予定。将来の夢は、子どもたちが成人するまでに会社を軌道にのせ、夫が望めば経営に関わってもらいながら事業を大きくしていきたいのだそう。

「ハーブを学べば学ぶほど、私たち人間が古くからその恩恵に預かって生きてきたということがよくわかります。日本でもひと昔前は、風邪のときにしょうが湯を飲んだり、寒い日はくつ下に唐辛子を入れたりと、おばあちゃんの知恵のようにハーブは生活に根づいたものだったんです。エコやスローライフが叫ばれる今だからこそ、ハーブを生活の中に取り入れて、心も体も豊かになるライフスタイルを提案していけたらと思っています」

ある一日のスケジュール

05:00 起床。メールチェック、原稿執筆など
06:00 朝食&お弁当の準備。家族が起床
06:30 朝食
07:00 夫、子どもたちを見送ったあと、ほっとひと息。その後、家事や夕食までの準備をする
11:00 原稿執筆
13:00 昼食後、料理教室の持ち物準備や身支度
15:00 外出。買い出しをしながら料理教室会場へ
18:00 会場に到着後、教室の準備
16:00 オフィスに戻り、確認作業を行う
17:00 オフィスを出て、電車で移動
19:00 教室スタート
21:00 教室終了後、懇親会へ
24:00 帰宅
01:00 就寝

Q&A - 自分スタイルの働き方を実現するための5つの質問

新卒で入社した会社勤務時と今の違いは?
我慢するのはもったいない、やりたいことは全部やろう」と思うようになりました。今考えてみると、昔は子どももいないし、収入も時間も今よりもあったのだから、もっといろいろなことにチャレンジできたはず。気軽に一歩踏み出してみたらよかったのに......と思います。
仕事を再開する際に、家族の反対などはありませんでしたか?
夫も基本的に働くことには賛成ですが、私が家庭をおろそかにしないことが前提です。家庭の中で、母親の存在ってとても大事だと思うんです。母親が好きなことをして楽しく暮らしているのは、子どもにとっても決して悪いことではないと思います。
仕事、子育ての両立で心がけていることは?
プライオリティは、つねに家族が一番。仕事のために、家族が犠牲になることはしないようにしています。あとは、いくら忙しくても家族の食事は手を抜かないと決めています。
やりがいを感じた忘れられないエピソードは?
教室に参加された方から、「教えてもらったレシピが、我が家の定番メニューになりました」とメールをいただいたときのこと。あと、教室に参加したことがきっかけでハーブに興味を持ち、資格取得のための勉強を始めましたというお客様もいらっしゃいました。うれしかったですね。
丸山さんのように専業主婦から一歩踏み出したい人へのメッセージは?
何かやりたいことがあって、でもどうしたらよいかがわからないときは、いろいろな人に会って思いを話してみたり、ブログに書くなどして、とにかく発信してみること。すると、誰かが必ずキャッチしてくれるはず! あとは、なんでもおもしろがって楽しんでやることで、自然と道が開けていくのだと思います。

ハーブの知恵を取り入れて、
心も体も豊かになるライフスタイルを提案

オノリナ

Writer オノリナ

合同会社カレイドスタイル代表・リズムーン主宰
女性向けWebメディア編集、フリーランスを経て設立。国内外のネットワークを活かして最適なチームを組みながら、研究機関のサイエンスアウトリーチ支援や、企業オウンドメディアのコンテンツ企画・制作を数多く手がけている。「しなやかに、自分らしく」働き、生きる女性のためのコミュニティ「リズムーン」でイベントやセミナーを不定期に開催しているほか、働く女性のためのコンセプトショップ(2019年春オープン)事業を展開。プライベートでは、3人の子を持つワーキングマザー。趣味は卓球。

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